床暖房が高いって本当?導入コストやリフォーム費用、電気代を紹介

わが家に床暖房を導入したいと思いながらも、床暖房は初期費用やランニングコストが高いといったイメージがあり、ためらっている人もいるのではないでしょうか。床暖房の電気代は他の暖房器具よりもコストがかかるのかについて知りたい人も多いでしょう。
この記事では、床暖房の導入コストや電気代が気になる人に向けて、床暖房の種類や仕組みについて紹介します。そして床暖房の中でもランニングコストを抑えやすいヒートポンプ式に注目して、メリットやデメリットなどを深掘りしますので、床暖房導入の参考にしてみてください。
- Index
床暖房とは?
床暖房とは、床の下に熱源を設置して床を温めるタイプの暖房です。床暖房は、足元に直接あたたかさを感じさせる伝導熱と、床から室内全体にあたたかさを広げるふく射熱の2種類で部屋を温めます。
あたたかい空気は高い場所に集まりやすいため、エアコンやファンヒーターだけで使用していると「顔は熱いのに足元が寒い」といった状態になることがあります。それらの暖房器具に床暖房を併用すれば、足元も十分にあたたかくなり、床全体から熱が放射されて部屋が均一に暖まります。足元をしっかりと温めながら体や顔の高さの室温を上げ過ぎないため、活動しやすく快適な環境をつくれるのが床暖房の特徴です。
床暖房全体のメリット

床暖房には様々な方式がありますが、床暖房全体の主なメリットは次の4つです。
- 部屋を足元から均一に温められる
- 他の暖房器具と比べて掃除がしやすい?
- 空気が乾燥しにくい
- 事故につながりにくい
それぞれについて、以下で詳しく解説します。
2-1.部屋を足元から均一に温められる
床暖房の機能は床や足元を温めるだけではありません。床から発生した赤外線がふくしゃ熱の原理で壁や天井に反射することによって、室内全体を均一に温められます。また、「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」という言葉があるように、頭の温度を上げず足元をよく温めることの健康効果が昔から知られています。
2-2.他の暖房器具と比べて掃除がしやすい?
床暖房は床下に設置するものなので、ストーブやオイルヒーター、こたつなど他の暖房器具と比べて室内の場所を取らず、掃除がしやすいことがメリットです。また、床暖房があれば寒い時期でも床の冷たさを感じないため、カーペットを敷く必要がなくなります。カーペットにはほこりやゴミが溜まりやすいため頻繁な掃除が必要ですが、カーペットを使わなくなることによって掃除の手間を省くことが可能です。
2-3.空気が乾燥しにくい
床暖房はエアコンやストーブと異なり、気流を発生させずに部屋を温めるため、部屋の空気が乾燥しにくいこともメリットです。部屋の湿度はエアコンなどで室温を上げるほど低くなります。床暖房で足元を温めると体感温度が上がるため、室温を上げなくても快適に過ごせ、部屋の湿度もキープできます。空気の乾燥を防ぐことで肌水分量も保ちやすくなるため、冬の肌荒れや手荒れなどの予防も期待出来ます。
2-4.事故につながりにくい
安全に使えることも床暖房のメリットです。床暖房は暖房本体が室内にないため、ストーブやヒーターなどと比べるとやけどのリスクが低いと言えます。また、コードもないため、コードに足をひっかけて転ぶおそれもなく、お年寄りや小さい子どもがいる家庭でも安心して使用できます。睡眠時などに高温で長時間使用した場合に低温やけどをする可能性はゼロではないものの、床温度設定を適切に行えばほとんど心配はありません。
床暖房の種類
床暖房の種類には大きく分けて次の2つがあります。
- 床下で温水を循環させる「温水式床暖房」
- 電力を熱に変換する「電気式床暖房」
それぞれについて以下で詳しく解説します。
3-1.床下で温水を循環させる「温水式床暖房」
「温水式床暖房」とは、床の下にパイプを設置して温水を循環させることにより床を温める仕組みの暖房方式です。「温水式床暖房」で温水をつくる方法には主に、ヒートポンプ(式、ガス温水式、石油式(灯油式)の3種類があります。それでは、各種類の仕組みや特徴について、以下で詳しく見ていきましょう。
3-1-1.ヒートポンプ式
空気中から熱だけを集めて移動させることで熱エネルギーを取り出す技術です。ヒートポンプ式の床暖房はでは集めた「熱」で水を温め、温水を作り床に埋設した温水配管に循環させることでお部屋を暖めます。
ヒートポンプ式は設置時の費用は割高ですが、少ない電力で効率的に多くの熱が得られるので、光熱費が大幅に抑えられます。環境にもやさしくランニングコストの削減が可能です。火を使わないのでやけどの心配も少なく、光熱費を節約できることがメリットです。
3-1-2.ガス温水式
ガス温水式は、ガス給湯器で温めた温水を、床下のパイプに循環させる仕組みの床暖房です。使用するタイミングで温水をつくるため湯切れの心配がなく、短時間で床を温められることがガス温水式のメリットと言えます。
設置費用も抑えられることもメリットですがヒートポンプよりランニングコストが高くなる可能性が高いことがあります。
3-1-3.石油式(灯油式)
石油式(灯油式)は、石油(灯油)を専用ボイラーで燃焼させて温水をつくり、床下のパイプに循環させる仕組みの床暖房です。石油式(灯油式)は電気代がほとんどかからない代わりに灯油代がかかります。
灯油は比較的安価な燃料のためコスパが良いですが、灯油価格の変動によってランニングコストも大きく変わる可能性がある点に注意が必要です。また、灯油の補充が必要なため手間がかかるというデメリットもあります。
3-2.電気を熱に変換する「電気式床暖房」

「電気式床暖房」は、電気を熱エネルギーに変換して床を温める方式の床暖房です。「電気式床暖房」には主に電熱線式、蓄熱式、PTCヒーター式の3種類があり、温水を循環させる代わりに床下に設置した蓄熱材や熱電線などで床を温めます。電気式は温水式に比べ、初期費用が抑えられることがメリットですが、電気で直接熱を発生されるので、電力使用料が大きく、温水式より光熱費が高くなる傾向にあります。
各種類の特徴やメリット、デメリットについて以下で詳しく解説します。
3-2-1.PTCヒーター式
PTCヒーター式とは、床下に自己温度制御機能があるヒーターを設置する床暖房方式です。床の一部に日が当たったり物を置いたりすることで温度が上がると、PTCヒーターが自己温度を検知し、温度が高い部分だけ発熱を抑えます。温め過ぎを防いで部屋を均等に温められることや省エネ性能の高さがPTCヒーター式のメリットです。一方、自己温度制御機能ゆえに一定の温度以上には温められない場合もあるといったデメリットも存在します。
3-2-2.電熱線式
電熱線式とは、床下に電熱線を設置して電力を供給することで発熱する仕組みの床下暖房方式です。簡単に設置できることや初期費用が比較的安いことが電熱線式のメリットと言えます。一方、床全面を電気で温めるため他の床暖房方式よりも電気代が高くなる、暖房使用時の電気を消費するため安い深夜電力を活用できない、故障した場合の修理費用も高額になりやすいといった点が電熱線式のデメリットです。
3-2-3.蓄熱式
蓄熱式とは、床下にヒーターと蓄熱材を設置し、蓄熱材に貯めた熱を利用して床を温める床暖房方式を指します。蓄熱式のメリットは、割安な深夜電力を活用して蓄熱することにより、電気代を節約しやすいことです。一方、蓄熱式床暖房は新築時の設置が基本となるため既存住宅への導入が難しい、初期費用が高額になる、臨機応変な細かい温度管理ができないといったデメリットがあります。
ヒートポンプ式床暖房のメリット
ここからは、床暖房の中でも特におすすめのヒートポンプ式にフォーカスして解説します。ヒートポンプ式ならではの代表的なメリットは以下の2つです。
- ランニングコストを抑えやすい
- 火を使わないのでやけどの心配が少ない
それぞれについて、以下で詳しく解説します。
4-1.ランニングコストを抑えやすい
ヒートポンプ技術は空気中の熱を再利用するため、少ない電力で効率的に熱を生み出せます。高い省エネ性によって、ガス式や石油式よりも月々の光熱費を抑えられる傾向があります。
4-2.火を使わないのでやけどの心配が少ない
ヒートポンプ式床暖房なら火を使わないのでやけどの心配が少なく小さなお子さんやご高齢の方がいるご家庭でも、より安心して使えるでしょう。
また、化石燃料を燃やさないため、CO2の排出を抑えられます。環境負荷が小さいこともヒートポンプ式のメリットです。
ヒートポンプ式床暖房のデメリットはある?
ヒートポンプ式床暖房の主なデメリットは次の2つです。
- 導入コストがかかる
- 温まるまでに時間がかかる
それぞれについて、以下で詳しく解説します。
5-1.導入コストがかかる?
ヒートポンプ式の熱源機は構造が複雑で高性能な部品を使うため、どうしても本体価格が高くなりがちです。床暖房パネルや配管工事に加え、ヒートポンプユニットの導入費用もかかるので、初期投資の総額が大きくなる傾向があります。
しかし、ランニングコストを抑えやすいため、長期的な視点で見れば出費が少なくなる可能性が高いです。総合的なコストを踏まえて検討するとよいでしょう。
5-2.温まるまでに時間がかかる?
温まるまでに時間がかかることもヒートポンプ式の要注意ポイントです。部屋全体が十分に温まるまでにかかる時間は製品や使用状況によって異なりますが、起動してから30分以上かかる場合もあります。朝起きる時間や、帰宅時間にあわせてタイマーを設定したりすると快適に過ごせます。
ヒートポンプ式床暖房のリフォーム費用

工事費用や設置方法は、物件の状況や施工内容によって大きく異なります。特にヒートポンプ式床暖房の場合は、専用のヒートポンプの導入費用が必要なケースもあります。
具体的な費用の目安や見積もりについては、専門業者までお問い合わせ下さい。
ヒートポンプ式床暖房の電気代はいくら?
床暖房の電気代は暖房方式や暖房面積、使用時間などによって異なります。ここではヒートポンプ式床暖房の電気料金目安を紹介します。
温水式の床暖房にはヒートポンプ式、ガス温水式、石油式(灯油式)がありますが、その中で最もランニングコストが安いのはヒートポンプ式です。
例えば、以下の条件で試算した場合、ダイキンのヒートポンプ式床暖房ではランニングコストが15,500円/年という試算結果が出ています。それに対してガス式温水床暖房のランニングコスト試算結果は28,000円/年です。
所在地:東京都
運転月:11~4月(6ヶ月)
運転時間:6~9時、17~22時(8時間/日)
住宅仕様:次世代省エネ基準、床暖房対象面積20畳
機器仕様:ヒートポンプ式/ホッとエコフロア 7.1kW(機種名 1MU714AFV)、ガス温水式/24号タイプ
電力単価:従量電灯単価:31円/kWh(税込み)(公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会による電力料金目安単価[令和4年7月改定] )
○ガス単価:東京ガスの一般ガス供給約款を使用(2024年3月の原料費調整額を含んでおります。なお、電気・ガス価格激変緩和対策事業の値引きは含んでおりません。)
注)・暖房期間の負荷を計算する際、立上りの2時間は蓄熱負荷を考慮しています。・上記の電気代およびガス代は目安であり、使用状況等の諸条件により異なります。試算は一定の条件に基づいて算出しているため、その値を保証するものではありません。あくまで参考値としてお考えください。
引用元:ダイキン床暖房の特長
省エネタイプのエアコンと併用でさらに快適

床暖房と省エネタイプのエアコンの併用もおすすめです。床暖房は起動してから部屋全体が暖まるまで時間がかかるため、先にエアコンで室温を上げておくと効率よく適温にできます。また、部屋を短時間だけ利用する場合はエアコンを使うと良いでしょう。
床暖房は足元をしっかりと温められることが強みですが、エアコンは空間全体を素早く温められることがメリットです。エアコンだけで使用すると温かい空気が天井付近に集まりやすく足元が寒い場合もあるため、床暖房とエアコンを併用することで、さらに快適に過ごしやすくなります。
ランニングコストを抑えられるダイキンの床暖房
足元から部屋全体を温めて快適に過ごせる空間をつくれることが床暖房の魅力です。床暖房には温水式(ヒートポンプ式・ガス温水式・石油(灯油)式)と電気式があり、初期費用やランニングコストに違いがあります。ランニングコストを抑えたい場合はヒートポンプ式床暖房がおすすめです。
ダイキンではヒートポンプ式の床暖房をラインナップしており、ガス式温水床暖房と比較して光熱費が約45%削減できるという試算結果も出ています。また、CO2排出量の試算においても、ヒートポンプ式の床暖房は都市ガス使用の温水式床暖房の約37%削減で、環境にも配慮できます。加えて、NOx などの有害物質が発生しないので、きれいな空気で快適に過ごせます。
引用元:ダイキン床暖房の特長
https://www.ac.daikin.co.jp/sumai/yukadan/feature
床暖房を探している人はぜひ、ダイキンまでお気軽にお問い合わせ下さい。