エアコンの電源が入らないのはなぜ?原因や対処法を解説

エアコンの電源が入らない時に「故障したのでは?」と心配になる人もいるでしょう。本記事では、エアコンの電源が入らない原因と対処法を知りたい人に向けて、エアコンの電源が入らない原因と確認する際のポイント、対処法などを解説します。
エアコンの電源が入らず修理が必要になった場合の修理費用の目安や、そのような事態になるのを未然に防止する方法も解説しているため、ぜひ参考にして下さい。
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エアコンの電源が入らない原因と確認するポイントは?

エアコンが動かないとき、「電源が入らない」のか「電源は入るが運転しない」のかを見極めることが重要です。
前者は「ブレーカーが落ちている」「電源プラグが抜けている」などの通電トラブル、またはリモコンの電池切れや経年劣化など本体トラブルが要因となって運転しないケースが多いです。一方、後者は、電源は入るもののリモコンの信号が届いていない、受光部の故障、内部部品の劣化など、エアコン本体の「運転不良」によって起動しないケースです。
本章では、それぞれの主な原因と確認すべきポイントを解説します。
1-1 エアコンの電源自体が入らない
エアコンの電源自体が入らない場合に確認すべきポイントは4つあります。
- 電源プラグが差し込まれているか
- エアコン専用のブレーカーが落ちていないか
- リモコン受光部が故障していないか
- エアコンの経年劣化が進んでいないか
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
1-1-1 電源プラグが差し込まれていない
エアコンをしばらく使用していない場合は、電源プラグが抜けたままの状態になっていないかをまず確認しましょう。電源プラグが差し込まれていないなら、エアコンの故障ではなく通電していないことが原因でエアコンの電源が入らない可能性があります。その場合、もちろんリモコンを操作しても起動させることができません。
電源プラグに埃が付いたままコンセントに差し込むと火災の原因になります。長期間電源プラグを抜きっぱなしのままの場合は埃が付いていないかを確認し、埃が付いている場合は取り除いてからコンセントに差し込みましょう。
1-1-2 ブレーカーが落ちていないか確認
大元のブレーカーが落ちている場合は、電源プラグがコンセントに差し込まれていてもエアコンの電源は入りません。電源プラグがコンセントに差し込まれているのにエアコンの電源が入らない場合は、エアコン専用のブレーカーが落ちていないか確認します。
ブレーカーが落ちていないかは、分電盤のエアコン専用回路をチェックすれば分かります。エアコンの回路は独立して設置されているため、エアコン専用回路が「入」になっているか確認してみて下さい。「切」になっている場合は「入」にし、エアコンの電源が入ったかどうかをチェックしましょう。
1-1-3 リモコン受光部が故障している
リモコン受光部に異常が発生すると、リモコンから発される赤外線をキャッチできず、エアコンの電源が入りません。リモコン受光部とは、エアコン本体に設置されているパーツの1つで、運転ランプやタイマーランプなどが配置されている部分です。
リモコン受光部が正常に動作しているかを確認するには、エアコン本体に配置されている応急運転ボタンを探し、押してみて下さい。エアコンが起動した場合は、リモコンまたはリモコン受光部が故障している可能性があります。
ただし、リモコンやリモコン受光部の故障ではなく、汚れによってリモコンの信号が遮断されるケースもあるため、リモコンの送信部分とリモコン受光部をきれいに拭き取ってから再度確認作業を行いましょう。
1-1-4 エアコンの経年劣化
一般的なエアコンの寿命は10年程度とされています。使用中のエアコンが製造年月日から10年程度経っている場合は、経年劣化による故障が原因の可能性があります。エアコンの経年劣化が進むとよく見られる前兆には、異臭や異音がする、冷房や暖房が効きづらくなるなどが挙げられます。
エアコンの電源が入らない原因が経年劣化の場合は、修理または買い替えが必要です。エアコンの保証期間内であれば、無償で修理してもらえるケースも少なくありません。しかし、製造年月日から10年以上経つと修理に必要なパーツが入手しづらくなり、高額な修理費用が発生する恐れがあります。使用中のエアコンが購入して10年前後経っている場合は寿命だと考え、エアコンの買い替えを検討するのも1つの手です。
1-2 エアコンの電源は入るが起動しない

エアコンの電源が入っても全く動かない、かつリモコンの赤外線やフィルターに異常がない場合は、室外機の周りに物を置いていることが原因かもしれません。室外機の排気口を塞ぐ物が置かれていないか確認しましょう。
例えば室外機にカバーがかけられたままになっていないか、排気口を塞ぐ物が置かれていないか確認してみて下さい。エアコンのシーズン前は、このように室外機の周囲をチェックしておくことをおすすめします。
室外機の排気口が塞がれてしまうとうまく吸排気ができなくなり、エアコンが正常に稼働しなくなることがあります。室外機の周りに置かれた物が障害となって風が出てこなくなったり、冷房をつけても冷風が出てこなかったりするケースも少なくありません。
1-3 エアコンは起動するがリモコン操作ができない
エアコンは起動するが、リモコンでメニューや温度調整などの操作ができない場合はリモコンが原因かもしれません。リモコンの電池が切れていないか、故障していないかを確認する必要があります。
1-3-1 リモコンの電池切れや故障
電池の寿命は種類やリモコンの使用頻度によっても異なりますが、1~5年程度とされています。直近でリモコンの電池を換えていない場合はまず電池切れを疑い、新しい電池に交換してから動作確認を試してみると良いでしょう。リモコンの動作確認の具体的な手順は以下の通りです。
- リモコンのボタンを押し、液晶画面に冷房や暖房、設定中の温度が表示されているか確認する
- 液晶画面に何も表示されない場合は新しい電池に交換する
- 電池を交換した後にリセットボタンを押す
- 再びリモコンのボタンを押して液晶画面に表示されているか確認する
電池が古くなると液漏れを起こすことがあります。液体は強いアルカリ性で、素手で触るとやけどするリスクがあるので、ゴム手袋や保護メガネを着用して手や目を保護しながら液体を拭き取りましょう。
リモコンのリセットボタンは小さく、指で押すことが困難です。つまようじや竹串などの先端が細い物を用意して押しましょう。リモコンの一時的な不具合が原因であれば、リセットボタンを押してリモコンをリセットすることで改善できます。リモコンの動作確認をしてもエアコンを操作できない場合はリモコン自体が故障している可能性があるため、リモコンの買い替えを検討しましょう。
原因を探ってもエアコンの電源が入らない場合の対処法

原因を探って動作確認をしてもエアコンの電源が入らない場合は、次に挙げる対処法を試してみて下さい。
- 応急運転を試す
- エアコンをリセットする
- 取扱説明書やメーカーの公式サイトを確認する
- メーカーや販売店に問い合わせる
2-1 エアコンの応急運転を試してみる
エアコンの電源が入らない原因が分からない時は、応急運転を試してみましょう。応急運転の操作をすることで、エアコンの電源が入らない原因がエアコン本体にあるのか、リモコンにあるのかを判断できます。応急運転の手順は以下の通りです。
- エアコン本体に設置されている応急運転ボタンを押す(本体運転/停止ボタンのものもあり)
- エアコンが起動するかを確認する
応急運転ボタンはエアコンのメーカーや機種によって配置場所が異なるため、どこにあるのか分からない場合は取扱説明書で確認しましょう。エアコン本体に不具合がなければ、応急運転ボタンを押すことで正常に起動します。
エアコンが正常に起動した場合は、リモコンが原因で電源が入らない可能性があります。前述したリモコンの動作環境の手順を参考に、リモコンの電池切れまたは受信部に不具合がないか確認してみて下さい。リモコンを操作する際はエアコン本体から半径7m以内とし、リモコンの赤外線を遮るものがない場所で動作環境を試しましょう。応急運転を試してもエアコンに何の反応も見られない場合は、エアコン本体に原因があるといえるでしょう。
2-2 エアコン本体をリセットしてみる
エアコン本体が原因で電源が入らない可能性がある場合は、エアコン本体のリセットを試してみましょう。応急運転ボタンを押してエアコンの反応がなかった場合でも、リセットすることでエアコンが正常に起動するケースがあります。リセットの具体的な手順は以下の通りです。
- 電源を切る
エアコン本体の電源をオフにします。リモコンで操作するか、コンセントを抜いて電源を切ります。 - 電源を完全に切る
コンセントからプラグを抜き、エアコンに接続されている電源を完全に遮断します。 - 数分待つ
約5分間そのままにして、内部の電荷が完全に放電されるのを待ちます。この時間を置くことで内部のメモリや状態がリセットされます。
エアコン本体のリセットを行っても電源が入らない場合は、エアコン本体に不具合または故障している可能性が高いです。後述する対処法を試しても電源が入らない際は、メーカーや販売店、修理業者などに相談することをおすすめします。
2-3 取扱説明書や公式サイトを確認する
エアコンを購入すると必ず取扱説明書が付いてきます。取扱説明書にはエアコンの使用前の準備や操作方法、困った時の原因と解決策がまとめられています。エアコンの電源が入らない時の対処法はメーカーや機種によって異なるため、取扱説明書で適切な方法を確認してみると良いでしょう。
取扱説明書を紛失した場合やより詳しい内容を知りたい場合は、メーカーの公式サイトを確認するのがおすすめです。公式サイトではよくある質問が参考になります。AI搭載のチャットボットを設置しているメーカーもあり、簡単な質問に答えるだけで知りたい情報を見つけやすくなるため、チャットボットを利用するのも手です。
2-4 メーカーや販売店に問い合わせる
エアコンの取扱説明書やメーカーの公式サイトを見てもエアコンの電源が入らない原因と対処法が分からない場合は、メーカーやエアコンを購入した販売店に直接問い合わせてみましょう。メーカーや販売店に問い合わせる主な方法は以下の通りです。
- 電話
- メール
- AIチャットボット
サポートセンターや相談窓口の連絡先は、公式サイトに掲載されています。メールで問い合わせる場合は、公式サイトの問い合わせページからメールを送信できます。電話やメールが苦手な場合や気軽なやり取りを短時間で済ませたい場合は、AIチャットボットを利用すると良いでしょう。どの方法で問い合わせるにしても、エアコンの機種や年式などを事前に確認してメモにまとめておくとスムーズにやり取りできます。
エアコンが故障している場合修理にかかる費用の目安

故障が原因でエアコンの電源が入らない場合の修理費用は、修理が電気系統か冷媒系統かで異なります。ここでは、ダイキンのエアコンの修理費用を例に紹介します。エアコンから冷風や温風が出ない場合の修理費用の目安は以下の通りです。
- 電気系統部品:2万2,000~3万2,000円程度
- 冷媒系統部品:5万3,000~9万3,000円程度
修理で交換が想定される主な部品は室内機基板や室外機基板、圧縮機(コンプレッサー)、サーミスタ(温度センサー)などです。圧縮機の交換で溶接作業が必要な場合は、8~10万円程度の修理費用が発生する可能性があります。
リモコンの操作でエアコンが反応しない場合は、エアコン本体の不具合かリモコンの購入かで修理にかかる費用は変わります。それぞれのケースに分けて修理費用の目安を確認しておきましょう。
- エアコン本体の不具合:2万3,000~3万7,000円程度
- リモコンの購入:2,000~1万円程度+送料
ただしメーカーや販売店の保証期間外の場合や保証から外れる修理が必要な場合は、高額な修理費用が発生する可能性があるため、修理するよりもエアコンの買い替えを検討した方が良いでしょう。
電源が入らない状況を防止する方法

エアコンの電源が入らない状況を繰り返せば、エアコン本体の寿命も短くなります。エアコンに不具合が出る度に修理や買い替えを行えば、高額な費用が発生するでしょう。エアコンの電源が故障するのを防止するには、フィルターのクリーニングが効果的です。
フィルターに埃やゴミが溜まったままエアコンを使用し続けると、エアコンの電源が入らないだけでなく、放置すればエアコン本体が故障する恐れがあります。フィルターのお手入れをする際は以下の手順を参考に行いましょう。
- 掃除機でフィルターの表面に付着した埃やゴミを吸い取る
- 柔らかいスポンジで水洗いする
- 水気を切ってから陰干しし、しっかり乾燥させる
フィルターのお手入れを頻繁に行う場合は、掃除機で埃やゴミを吸い取るだけでも目詰まりを防止できるため効果的です。水洗いをすればフィルターをより清潔に保つことができます。水洗い後はしっかり乾燥させないとカビが発生しやすくなるため、風通しの良い日陰で乾燥させて下さい。特にエアコンの修理後や買い替え後は、再び電源が入らない状況になるのを防ぐためにも上記で解説した対策を試し、エアコンを長持ちさせましょう。
4-1 エアコンのお掃除はプロへの依頼もおすすめ
エアコンの電源が入らない状況を避けるには、お手入れが欠かせません。エアコンのフィルターやダストボックスなどの掃除も大切ですが、エアコン内部のお手入れも必要です。しかし、エアコン内部の掃除は仕組みや構造を知らなければできないので、プロに任せることをおすすめします。
エアコンのクリーニングをプロに任せれば分解して内部まで洗浄してもらえる上に、抗菌処理やカビ防止処理などもしてもらえて安心です。エアコンのオフシーズンに入る時や臭いが気になった時は、エアコンのお掃除をプロに依頼しましょう。
まとめ エアコンの動作で困ったらダイキンへ相談!

エアコンの電源が入らない原因はさまざまあり、対処法はメーカーや機種ごとに異なります。取扱説明書の「困った時」やメーカーの公式サイトの「よくある質問」などを確認して原因を探ってみましょう。エアコンの電源が入らない原因を突き止められなかった場合は、メーカーや販売店に確認するのも手です。
ダイキン工業株式会社では、公式サイトにエアコンの取扱説明書の検索やエラーコード検索、よくあるご質問など、充実したサポート体制をご用意しています。修理のご相談やお申し込みにも対応しているため、お困りの際に便利です。エアコンの不具合や修理依頼、買い替えなどを相談したい場合は、ダイキンにお問い合わせ下さい。