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業務用エアコンのブレーカーが落ちる原因と防ぐ方法

店舗やオフィスのエアコンのブレーカーが頻繁に落ちると業務に大きな支障が出てしまうため、日頃の予防や対策が必要です。この記事では、業務用エアコンでブレーカーが落ちる原因や事前に取っておくべき対策について、分かりやすく解説します。また、業務用エアコンの買い替えを判断する基準についても解説するので、ぜひ参考にして下さい。

Index
  1. 業務用エアコンのブレーカーはどこ?
  2. ブレーカーには3種類ある
  3. ブレーカーが落ちる原因
  4. ブレーカーが落ちることを防ぐ対処法
  5. 業務用エアコンが漏電する原因
  6. 業務用エアコンの漏電対策
  7. 10年以上使用したエアコンは買い替えがおすすめ
  8. 業務用エアコン買い替えのサイン
  9. 業務用エアコンの買い替えならダイキンへ

業務用エアコンのブレーカーはどこ?

業者に依頼してエアコンのメンテナンスや修理をする際は、ブレーカーを落とす必要があります。よって、ブレーカーの設置場所を事前に把握しておくことが重要です。

しかし、業務用エアコンのブレーカーは多くの場合、室内の配電盤内に位置しておらず、屋上や廊下、屋外などにある動力電源盤にあります。そこで、業者に業務用エアコンのメンテナンスや修理を依頼する際は、あらかじめブレーカーの位置を確認しておくと当日の流れがスムーズです。ビルテナントに入っている場合など、社内にブレーカーの位置を把握している人がいない場合は管理会社に問い合わせる必要があるため、余裕を持って確認しておきましょう。

ブレーカーには3種類ある

エアコンのブレーカーには次の3種類があります。

  • アンペアブレーカー
  • 漏電ブレーカー
  • 安全ブレーカー

それぞれの定義や機能について以下で詳しく解説します。

2-1 アンペアブレーカー

アンペアブレーカー、別名「サービスブレーカー」「契約ブレーカー」とは、電気契約容量に関係するメインブレーカーです。同時に使用する電気の量が電気会社との契約アンペア数を超えるとアンペアブレーカーが落ち、給電が遮断される仕組みになっています。例えば、エアコン使用中に消費電力の大きい電気製品を使用するとアンペアブレーカーが落ちる原因になります。

アンペアブレーカーは契約している電気回路の全てを管理するものです。そのため、アンペアブレーカーが落ちると、一つの部屋やフロアの業務用エアコンが止まるだけでは済まず、他の部屋やフロアの電気製品も全て止まってしまうため、業務に大きな支障をきたします。

2-2 漏電ブレーカー

漏電ブレーカーとは漏電による事故を防止する役割を持つ安全装置で、メインスイッチの他にテスト・復旧用のボタンがついている製品が一般的です。

電気が漏れている状態で電気が流れ続けると感電や電気製品の故障、火災などの事故につながりますが、漏電ブレーカーが漏電を検知することによって、電気回路が自動的に遮断されます。漏電を起こしている電気製品が1つだけであっても、漏電ブレーカーが契約電気の全回路を自動的に遮断して事故を防止することが可能です。とはいえ、営業時間中に漏電ブレーカーが落ちて全ての電気が止まればサービスや業務に支障が出るため、日頃から漏電しないように対策が必要です。

2-3 安全ブレーカー

安全ブレーカーは「配線用遮断器」とも呼ばれています。安全ブレーカーは分電盤から各部屋に送る電気回路ごとに複数設置されており、それぞれの電気回路の電流を管理する役割の安全装置です。電流の量は電気回路ごとに定められていますが、ショートした電気製品や電気の使用量が多過ぎるなどによって電流の量が一定基準を超えた電気回路があると安全ブレーカーが落ちて停電します。

安全ブレーカーは回路別に動作する仕組みです。そのため、安全ブレーカーが落ちた時に停電する場所は接続している電気回路を使用する部屋のみで、オフィスや店舗全体が一度に停電することはありません。

ブレーカーが落ちる原因

業務用エアコンのブレーカーが落ちる主な原因は次の通りです。

  • 契約アンペア数が足りない
  • 漏電が起きている
  • エアコン本体が故障している

それぞれの原因について、以下で詳しく解説します。

3-1 契約アンペア数が足りない

契約アンペア数を超えて電気を使用するとアンペアブレーカーが落ち、契約している電気回路が全て停電してしまいます。

アンペアは一度に流れる電力量(電流の量)を意味する単位です。契約アンペア数とは同時に使用できる電力量であり、電気会社との契約内容によって異なります。一度に大量の電力を使用する場合は高い契約アンペア数が必要です。

業務用エアコンの使用電力量は大きいため、同時に他の電気製品を複数使用すると契約アンペアが不足する場合があります。店舗やオフィスで同時に使用する総電力量をシミュレーションした上で、必要なアンペア数で契約することが重要です。

3-2 漏電が起きている

漏電が起きている場合は漏電ブレーカーが落ち、契約している電気回路が全て停電します。エアコンにかかわらず、電気製品や電気回路が漏電したままで使用し続けると感電や火災につながるため、とても危険な状態です。そのため、漏電ブレーカーが落ちた場合は即座に漏電ブレーカーの状態や漏電箇所を確認しましょう。

また、「金属部分に触れるとピリピリする」などの現象が起きている場合は、漏電ブレーカーが落ちていなくても漏電を疑う必要があります。いずれの場合もブレーカーを自己判断で復旧することはせず、専門の業者に相談して下さい。

漏電箇所の特定方法など具体的な対処法については、記事の後半で詳しく紹介します。

3-3 エアコン本体が故障している

エアコン本体内部の基盤の故障も、ブレーカーが落ちる原因の1つです。エアコン使用中に異音がしたり、冷却能力が低下していたりする場合は故障の可能性があります。

また、エアコン本体の経年劣化もブレーカーが落ちる原因です。エアコン本体が劣化すると漏電が発生しやすくなったり消費電力が上がったりします。また、部品の劣化によって基盤や導線の電気回路でショートが発生すると正常時よりも大きな電流が流れるため、契約アンペア数を超えればアンペアブレーカーが落ちます。

エアコンを買い替えるサインについては、記事の後半で詳しく紹介します。

ブレーカーが落ちることを防ぐ対処法

ブレーカーが落ちることを防ぐ主な対処法は次の2つです。

  • 契約アンペア数をあげる
  • エアコン専門業者に修理を依頼する

それぞれについて以下で詳しく解説します。

4-1 契約アンペア数をあげる

現在の契約アンペア数では必要な総電力量に足りない場合、契約アンペア数をあげることでアンペアブレーカーが落ちることを防止できます。アナログメーターを使用している環境、契約アンペア数の変更にはブレーカーの交換などアンペア変更工事が必要な場合があるため、業者に工事費用の見積もりを必ず取るようにしましょう。一方、スマートメーターを使用している環境であれば物理的な工事は必要なく、遠隔でアンペア数の変更が可能です。

ただし、ビルテナントなど賃貸物件の場合、契約アンペア数の変更に管理会社やオーナーの許可が必要なケースもあります。また、契約アンペア数の変更は原則として年1回までで、電気の使用量が多い季節のみ契約アンペア数をあげるといったことはできません。

4-2 エアコン専門業者に修理を依頼する

経年劣化や悪天候の影響などにより、エアコン本体やブレーカー、渡り配線などに不具合が生じることがあります。それらが原因でブレーカーが落ちる場合、素人が自分で修理することはできないため、電気工事士など専門資格を有するプロに点検や修理を依頼する必要があります。

次のような症状が出ている場合はエアコン専門業者に相談して下さい。

  • 冷暖房の効きが悪い
  • エアコンから異音がする
  • エアコンから吹き出す空気が臭い


危険なので、自分で直さず必ず専門業者へ連絡をしましょう。

業務用エアコンが漏電する原因

漏電は業務用エアコンのブレーカーが落ちる原因になります。業務用エアコンが漏電する主な原因は次の3つです。

  • エアコン本体の経年劣化・故障
  • 台風・豪雨の影響
  • メインブレーカーの容量不足

それぞれについて以下で詳しく解説します。

5-1 エアコン本体の経年劣化・故障

長期間にわたって使用しているエアコンの内部では、部品の絶縁体や配線の被膜などの劣化が進行しています。そのような経年劣化は漏電が発生する主な原因の1つです。例えば、部品の配線の絶縁体が劣化していると絶縁不良が発生しやすいため、電流が外部に流れ出す危険があります。また、コンプレッサーの焼き付きによって絶縁体が損傷したり、基盤の配線が断線して過電流が起きたりする場合も漏電につながります。

特に、10年以上の長期使用において劣化の影響が出やすいため、メンテナンスせずに使い続けると漏電するリスクが高くなることに注意して下さい。

5-2 台風・豪雨の影響

台風や豪雨の後は漏電が発生しやすいため注意しましょう。例えば、落雷があると非常に大きな電圧が発生して電力会社の施設に影響を及ぼし、それが原因でブレーカーが落ちる場合があります。ブレーカーが落ちたタイミングで台風や豪雨が発生していた場合は、電力会社に確認してみて下さい。

また、梅雨の時期や豪雨の時は雨漏りにも注意が必要です。建物が漏水すると、電気配線部分やエアコン配管まで水が侵入したことが原因で漏電が発生する場合があります。

5-3 メインブレーカーの容量不足

メインブレーカー(アンペアブレーカー)の容量不足が漏電の原因になる場合があります。エアコンの運転には多くの電力が必要になるため、エアコンを使用して契約アンペア数を超えるとメインブレーカーが落ちます。この時に漏電が発生する場合があるのです。特に、電気製品は起動時の消費電力が大きいため、注意しましょう。

また、エアコンの設定温度を一気に低くしたりすると急に大量の電流が流れるため、契約アンペア数を超えてブレーカーが落ちる場合があります。

業務用エアコンの漏電対策

業務用エアコンの主な漏電対策は次の通りです。

  • 漏電箇所を特定する

以下で詳しく解説します。

6-1 漏電箇所を特定する

ブレーカーを使用することで、漏電している場所がどこなのかを特定することが可能です。

まず、安全ブレーカーのスイッチを全て切ります。次に、漏電ブレーカーのスイッチを一度切って電流を遮断し、それから漏電ブレーカーのスイッチを入れます。その状態で安全ブレーカーのスイッチを1個ずつ入れていき、漏電ブレーカーが落ちないかを確認しましょう。安全ブレーカーのスイッチを入れて漏電ブレーカーが落ちれば、その場所が漏電していることが分かります。全ての安全ブレーカーのスイッチを入れても漏電ブレーカーが落ちなければ漏電は発生していません。

10年以上使用したエアコンは買い替えがおすすめ

業務用エアコンの寿命は一般的に10年程度と言われています。エアコンを長く使用するうちに内部部品の経年劣化やフィルターの目詰まりなどが進んで冷暖房能力が落ちていくため、エアコンに負担がかかるだけでなく、余分な電気代が発生してしまいます。

古い機種のエアコンはメーカーによる部品の最低保有期間を過ぎると故障しても修理ができなくなる場合もあるため、10年近く使用したエアコンに不具合が生じた場合は修理よりも買い替えがおすすめです。

最新機種のエアコンは古い機種に比べて省エネ性が向上しているため、最新機種への買い替えによって電気代節約の効果も期待できます。

業務用エアコン買い替えのサイン

業務用エアコン買い替えの主なサインは次の4点です。

  • 空調が効きづらい
  • 異音や異臭がある
  • 電気代が急激に上がった
  • 故障が頻繁に起こる

それぞれについて以下で詳しく解説します。

8-1 空調が効きづらい

エアコンの冷暖房の効果が低下しているのは寿命が近づいているサインです。例えば、設定した温度になるまで時間がかかったり、空調効果にムラがあって部屋全体が均等に快適な室温にならなかったりと、エアコンが正常に機能していない場合などは、買い替えを検討しましょう。

ただし、フィルターの汚れや目詰まりがある場合にも空調能力は低下します。念のため、フィルターの掃除をしたら空調効果が改善されるかを試してみましょう。フィルター掃除しても改善されない場合は買い替えを検討してみましょう。

8-2 異音や異臭がある

エアコンの運転中に異音がする場合、内部の部品にトラブルが発生している可能性があります。そのまま使い続けると重大な故障が起きる場合もあるため、早めに点検・修理をするか、古い機種の場合は買い替える方が良いでしょう。

また、エアコンから悪臭がする場合、エアコン内部にカビや汚れが蓄積して不衛生な状態になっている可能性があります。そのまま使用を続ければ不快なだけでなく健康にも悪影響を及ぼす場合があるため、早めに対処しましょう。長期間使用しているエアコンの場合はクリーニングをしても原因となる汚れを除去しきれないケースが多いため、新品への買い替えがおすすめです。

8-3 電気代が急激に上がった

長期間使用しているエアコンが経年劣化によってエネルギー効率が低下するにつれて、より多くの電力を消費するようになります。逆に言えば、電気代の急激な上昇はエアコンが寿命を迎えているサインです。冷暖房効率が下がって快適な室温にできないだけでなく無駄な電気代がかさんでいることになります。

電気代の急な上昇に気付いたら、まずはエアコン専門業者に点検してもらいましょう。その上で、必要に応じて修理や新機種への買い替えを検討して下さい。

8-4 故障が頻繁に起こる

故障の頻度が多い場合、その都度修理するとなるとエアコンを使えない時間が多くなり、業務に支障が出てしまいます。そのため、無理に修理するよりも新品へ買い替える方が良いでしょう。

上でも述べたように業務用エアコンの寿命は10年程度ですが、使用環境や使い方によっては、より短期間で交換が必要になる場合もあります。エアコンが故障する主な原因は汚れやホコリ、カビ、熱交換器

業務用エアコンの買い替えならダイキンへ

業務用エアコンのブレーカーにはアンペアブレーカー・漏電ブレーカー・安全ブレーカーがあります。修理や点検に備えてブレーカーの設置場所を把握しておきましょう。ブレーカーが落ちる主な原因は契約アンペア数不足や漏電、エアコンの経年劣化などがあります。寿命が近づいたエアコンはエネルギー効率が低下して電気代上昇にもつながるため、修理するよりも、省エネ性能の向上した最新機種への買い替えがおすすめです。

ダイキンの業務用エアコンは高い省エネ性能を実現しています。例えば、FIVE STAR ZEAS2022年モデル(省エネタイプ)では、2007年モデルとの比較で年間電気代が55%削減されました。

引用元:これで解決!業務用エアコン(店舗・オフィスエアコン)の選び方 | ダイキン工業株式会社

https://www.ac.daikin.co.jp/customercenter/useful/article/28

業務用エアコンを探している人はぜひ、ダイキンまでお気軽にお問い合わせ下さい。

お問い合わせ | ダイキンHVACソリューション東京