業務用エアコンの寿命・耐用年数は何年?長持ちさせるコツを紹介
業務用エアコンの導入や修理、買い替えを検討されている人は、業務用エアコンが大体何年くらい使えるのかが気になりますよね。
この記事では業務用エアコンの寿命や耐用年数について詳しく解説します。
また、業務用エアコンの寿命が短くなってしまう原因や長持ちさせるにはどのような使い方をすれば良いのかについても紹介するので、ぜひ参考にして下さい。
- Index
1.一般的な業務用エアコンの寿命は何年?
業務用エアコンの一般的な寿命は10〜15年と言われていますが、業務用エアコンの種類や使い方、使用環境などによって異なります。例えば、長時間連続運転したりメンテナンスを行っていなかったりすれば寿命が短くなる場合があります。また、空気に油が多く含まれる飲食店の調理室やホコリが多い工場などで使用する場合は、エアコンの劣化が早くなる可能性があるのです。
業務用エアコンを設置してから10年以上が経過すると、空調の効きが悪くなったり不具合が増えてきたりするケースが出てきます。10年や20年など長期にわたって使用している場合は、修理でなく買い替えを検討しても良いでしょう。
ダイキンエアコンの保証期間は、本体が1年、冷媒系統が5年間です。 保証期間中は保証書の規定にしたがって修理が可能ですが、これを過ぎる場合は修理費用が必要です。
圧縮機(室外機搭載コンプレッサー)の寿命は?
圧縮機(室外機搭載コンプレッサー)はエアコンの心臓とも呼ぶべき重要な部品です。一般的な使い方で業務用エアコンを使用した場合、設置してから8~10年程度で圧縮機が故障するリスクが高まり、圧縮機の交換修理が必要となる場合があります。
圧縮機の交換修理には費用も工事の時間もかかるため、故障する前に定期的な点検をして予防するのがおすすめです。業務用エアコンの設置後、8年を目安に点検するようにしましょう。
2.耐用年数には3種類ある
業務用エアコンの耐用年数には次の3種類があります。これらの数値を考慮した上で、業務用エアコンの定期点検・修理・買い替えを検討すると良いでしょう。
- 法定耐用年数
- 物理的耐用年数
- 経済的耐用年数
それぞれの耐用年数について以下で詳しく解説します。
2-1.法定耐用年数
法定耐用年数とは、企業が備品や設備の減価償却費を計算して確定申告を行うために法的に定められた数値です。法定耐用年数を超えたからといってすぐ使えなくなるわけではありませんが、寿命が近いことの目安となっています。
業務用エアコンにはレンタルオフィスなどに入居後設置する「備品」と、ダクト配管されていて建物と一体化している「建物付属設備」の2種類があります。「備品」の法定耐用年数は6年です。また、「建物付属設備」の業務用エアコンの耐用年数は、冷凍機の定格出力22kWを超えるものが15年、22kW以下のものは13年と定められています。
2-2.物理的耐用年数
物理的耐用年数とは、定期的にメンテナンスすることを前提として、故障を最低限に抑えながら問題なく使用できるとされている年数です。物理的耐用年数は機器の部品ごとに定められており、例えば業務用エアコンのフィルターの物理的耐用年数は5年、防振ゴムは10年です。
物理的耐用年数を過ぎると、部品の劣化により、故障のリスクが大きくなります。物理的耐用年数を超えても使える場合もありますが、業務用エアコンの効きが悪くなったり故障しやすくなったりする時期を知るための目安となります。
2-3.経済的耐用年数
経済的耐用年数とは、メンテナンスをすれば使用は可能であるものの、メンテナンス費用の増加を考えると修理するより買い替えた方がお得になる時期です。
業務用エアコンを長く使っていると、次第に部品が劣化して、不具合や故障が起きる頻度が増えてきます。その都度、修理や部品交換をすることになるので、1箇所直しても別の箇所がまた故障するリスクもあります。そういったメンテナンス費用がかさんできたら、経済的耐用年数を過ぎたと考えて良いでしょう。
3.寿命と耐用年数の違い
寿命が「使えなくなる時期」を意味することに対し、上述の耐用年数は減価償却費の計算、部品交換、運用コスト見直しなど、それぞれの目的に応じて設定された基準値です。
耐用年数はメンテナンスやその費用、買い替えを検討するタイミングの目安にはなりますが、耐用年数を過ぎたからといって、すぐに使えなくなるわけではありません。業務用エアコンの寿命はメンテナンスや使用環境によって異なるため、耐用年数より長く使用できる場合もあれば、耐用年数よりも早く寿命を迎える場合もあります。
4.業務用エアコンの寿命が短くなる原因
業務用エアコンの寿命が短くなる主な原因として、次の4つが挙げられます。
- 定期点検・メンテナンスをしていない
- 使用している環境が悪い
- 長期間使用していない
- 室外機の周辺にモノがある
それぞれの原因について以下で詳しく解説します。
4-1.定期点検・メンテナンスをしていない
定期点検・メンテナンスを行った場合と行わなかった場合とでは、業務用エアコンの寿命が大きく変わります。
業務用エアコンは、定期点検や部品交換などのメンテナンスを行うことを前提として設計されています。不具合が発生していなくても予防として定期点検や必要なメンテナンスを行うことによって、寿命を大きく延ばすことが可能です。逆に、定期点検やメンテナンスをせずに故障してから修理する場合は、一時的にトラブルが解消されるとしても、寿命が延びることはありません。
4-2.使用している環境が悪い
使用している環境によっては業務用エアコン内部の部品の劣化が早くなり、寿命が短くなりやすいと言われています。
例えば、飲食店の調理室や工場など空気中に油分やホコリが多い場所で使用すると、業務用エアコンが汚れやすいため、寿命が早くなりがちです。また、以下のようなケースも寿命が短くなる原因となります。
- 室外機が直射日光にさらされている
- 温度や湿度が高い
- 24時間運転など運転時間が長い
- 運転や停止を頻繁に行う
そのような環境で業務用エアコンを使用する場合は、定期点検・メンテナンスの頻度を上げるようにしましょう。
4-3.長期間使用していない
業務用エアコンのスイッチを長期間オフにしたままで放置していると、フィルターにホコリが溜まってしまうため劣化が進み、寿命を縮める原因になります。特に、1年以上も業務用エアコンを使っていない場合は故障する可能性が高くなるため、注意が必要です。
空調する必要がない場合でも、1〜3ヶ月に一度は点検・メンテナンスとして試運転するようにしましょう。また、業務用エアコンを使用しない期間が長くなる場合、カバーをかけることでホコリが付くのを抑えられます。
4-4.室外機の周辺にモノがある
室外機の周辺にモノがあることも、業務用エアコンの寿命を短くしてしまう原因になります。
室外機は外気と室内の空気の熱交換を行う機器です。業務用エアコンの運転中、室外機の周辺に通気を妨げるようなモノがあると冷暖房の効率が下がって室外機に負担がかかるため、劣化が進み、寿命が短くなってしまいます。
業務用エアコンを使用する時期は、室外機前のスペースをできるだけ広く空けておくようにしましょう。また、カバーなどはかけないで下さい。
5.業務用エアコンを長持ちさせるコツ
業務用エアコンを長持ちさせる主なコツとして、次の4つが挙げられます。
- メンテナンスを定期的に行う
- 業者による点検を行う
- IoT技術を使用する
- 設定温度を適切に保つ
それぞれのコツについて以下で詳しく解説します。
5-1.メンテナンスを定期的に行う
定期的にメンテナンスを行い、不具合が発生する前にトラブルを予防することによって、業務用エアコンの劣化を抑えて寿命を延ばすことができます。
特に、フィルターには油分やホコリなど空気中の汚れが付着しやすいため、目詰まりしないように、定期的に掃除しましょう。可能なら毎日掃除することが望ましいですが、少なくとも年に1度、フィルターが汚れやすい環境なら月に1度はフィルターの掃除を実施して下さい。
フィルターを掃除する際は、まず、掃除機でホコリを吸い取ります。それから、細かいホコリや油汚れを中性洗剤と歯ブラシを使って落としましょう。本体に戻す前にしっかりと乾燥させないとカビの原因になります。
5-2.業者による点検を行う
業務用エアコンを長く使うために、専門業者による点検を2~3年に1度は実施するようにしましょう。業務用エアコンは、フィルターのさらに奥の部分にもホコリやカビが溜まって汚れており、放置すると異臭や故障の原因になります。業務用エアコン内部のクリーニングは素人には難しいため、専門の業者に依頼しなければなりません。
また、定期的に専門業者に点検してもらうことによって、素人では気付くことができない不具合を早期発見できる場合もあり、トラブルの予防につながります。
業者に点検を依頼するタイミングにも注意が必要です。暑くなる前や寒くなる前などはエアコンの点検・修理業者の繁忙期となるため、余裕を持って依頼するようにしましょう。
5-3.IoT技術を使用する
業務用エアコンの耐用年数や定期点検・メンテナンス時期を適切に把握するのは大変ですが、IoT技術を活用することで、自動的に業務用エアコンの動作確認や点検・メンテナンス時期の通知などを行い、故障リスクを低減することが可能です。
例えば、ダイキン工業の「アシスネットサービス」を利用すれば、業務用エアコンの運転データや修理記録などをIoT端末が自動的に収集し、一括管理できます。また、業務用エアコンの運転時間を視覚的なデータにまとめたり、中期的・長期的なメンテナンスや部品交換の予算化したりすることも可能です。「アシスネットサービス」は室外機にIoT端末を設置するだけで導入できます。
業務用空調設備を長持ちさせるためには、自社設備の耐用年数を把握し、適切なタイミングで定期点検・メンテナンスを行うことが重要ですが、全て自社で管理するのは負担が大きいでしょう。そこでその解決策として空調設備の運転データや修理記録などを収集・一括管理できるサービスを活用することもおすすめです。
5-4.設定温度を適切に保つ
業務用エアコンを長持ちさせるためには、設定温度を適切に保つことを心がけましょう。
熱交換を行う室外機は、室温が設定温度に到達するまでフル稼働します。そのため、業務用エアコンの設定温度が低過ぎたり高過ぎたりするなど極端な設定で使用を続けていると室外機への負担が大きくなり、劣化や故障、寿命が短くなる原因になります。
環境省が推奨するエアコンの設定温度は夏季が28℃、冬季が20℃なので、これを参考にするのも一つの手でしょう。
参考:エアコンの使い方について | 家庭部門のCO2排出実態統計調査|環境省
6.修理と買い替えのどちらにする?チェックポイント
業務用エアコンに不具合が生じた場合、修理すべきか買い替えるべきかで悩むケースがあるでしょう。そんな時は次の4つをチェックしてみて下さい。
- 保証期間を調べる
- コンプレッサーが破損していないか
- 故障しやすい箇所を点検する
- 部品保管期間になっているのか
それぞれについて以下で解説します。
6-1.保証期間を調べる
まず、業務用エアコンの保証期間を調べてみましょう。業務用エアコンのメーカーでは、1年間から3年間を目安としてメーカー保証期間を設定しているのが一般的です。
メーカー保証期間内であれば、故障した場合の修理費が無償、または安価で済むことが多いため、買い替えるよりも修理をする方がお得になる場合があります。一方、保証期間を過ぎている場合は修理内容が大規模になるほど修理費は高くなります。修理する場合と買い替える場合の費用を見積もり、どちらがお得になるか比較検討する方が良いでしょう。
6-2.コンプレッサーが破損していないか
コンプレッサー(室外機搭載コンプレッサー)は圧縮機とも呼ばれ、エアコンの心臓部に当たる機器です。コンプレッサーがエアコンの冷媒ガスを圧縮することで空気の温度を変化させて空調を行います。
専門業者に点検してもらった際にコンプレッサーが破損していると指摘された場合、交換が必要になるケースがほとんどです。修理する前に、コンプレッサーの修理交換費用がいくらになるのか、見積もりしてもらいましょう。場合によっては修理交換する方が新品へ買い替える場合よりも高くなる可能性があるためです。
耐用年数や修理費用、買い替え費用などを考慮した上で、修理と買い替えのどちらにするか決めると良いでしょう。
6-3.故障しやすい箇所を点検する
今すぐに買い替えるべきか迷う場合は、業務用エアコンの故障しやすい箇所を点検した上で検討すると良いでしょう。
例えば、フィルターはトラブルが発生しやすい箇所です。フィルターの表面にホコリや汚れが溜まって目詰まりしていないか、カビなどが付着していないかをチェックしてみて下さい。また、フィルターの網目が破れているとホコリやカビなどが業務用エアコン内部まで入り込んでしまうため、深刻な故障につながりかねません。
それから、温度調節された空気を室内に流すフィンもエアコンを起動する度に動く部分のため、劣化が進みやすい部分です。フィンに異常はないか、カビなどが繁殖していないかもチェックしてみて下さい。
6-4.部品保管期間になっているのか
修理を優先したい場合は、使用している業務用エアコンが製造終了していないか、まだ部品保管期間内かどうかを確認しましょう。エアコンメーカーは、修理に必要な部品を製造終了から一定期間保管しています。これが「部品保管期間」です。
部品保管期間を過ぎると、修理したくても必要な部品を入手できず、修理が不可能になる場合があります。その場合は買い替えるしかありません。「部品保管期間」については各メーカーに確認してみましょう。ただし、古い業務用エアコンを修理して長く使い続けるよりも、新しい機種に買い替える方が省エネ効果が高くなって経費を節約できる可能性もあるので、それを含めて修理するか買い替えるかを検討すると良いでしょう。
7.10年前のエアコンは使える?寿命のサイン
10年前に導入した業務用エアコンを使っていて、買い替えるべきか迷うケースもあるでしょう。一般的に、業務用エアコンは10年程度で買い替えることが推奨されています。次のような業務用エアコンの寿命を示すサインが出ていないか、チェックしてみて下さい。
- エアコンの効きが悪くなった
- エアコンから異臭がする
- 水が垂れてきている
- 変な音が鳴る
それぞれについて以下で解説します。
7-1.エアコンの効きが悪くなった
設定温度が適切になっているか確認したり、フィルターや放熱フィンの掃除をしたりするとエアコンの効果が改善される場合があるので、まずは試してみて下さい。
改善されない場合は、コンプレッサーや熱交換機など冷媒系統が故障している可能性があります。また、各部品の経年劣化や冷媒ガスの漏れが発生しているかもしれません。その場合、部品の修理・交換や冷媒ガスの補充といった修理も可能ですが、コンプレッサーの交換は高額になる場合が多いため、買い替えも検討する方が良いでしょう。
7-2.エアコンから異臭がする
エアコンからの異臭は劣化を示すサインの1つです。エアコンから出る風が臭い場合はエアコン内部に汚れやカビが溜まっている可能性があるため、そのまま使い続けていると健康に悪影響を及ぼします。
まず、フィルター掃除をしてみましょう。それでも異臭が解消しない場合、エアコン内部にカビが繁殖している可能性があるため、専門業者に本格的なエアコンクリーニングを依頼する必要があります。10年以上使用している古いエアコンであれば、エアコンクリーニングの費用を買い替えに充てる方が良いかもしれません。
7-3.水が垂れてきている
エアコンから水が垂れたり、水が飛んできたりする場合、熱交換機の結露を戸外に排出するドレンホースに不具合や故障が起きているかもしれません。
まずは、ドレンホースが詰まっていないか確認し、掃除をしてみましょう。それでも水漏れが解消しない場合は、コンプレッサーが経年劣化により故障してしまった可能性があるため、専門業者に点検してもらう必要があります。上述したように、コンプレッサーの修理交換は高額になる場合が多いため、新しい製品に買い替える方がお得になる可能性も考慮して検討して下さい。
7-4.変な音が鳴る
エアコンの室内機や室外機から大きな異音が聞こえてくる場合、フィルターにホコリやカビなどが溜まっていて目詰まりしていることが原因の場合があります。まずは、フィルターの掃除を試してみましょう。
フィルター掃除をしても異音が解消しない場合は、エアコン内部の部品が外れていたり経年劣化や破損が生じていたりする可能性があります。専門業者に点検を依頼し、修理する場合の費用を見積もってもらった上で、買い替えを含めて対応を検討すると良いでしょう。
業務用エアコンはダイキンにお任せ下さい
業務用エアコンの寿命は、一般的に10~15年と言われていますが、使い方や使用環境によって異なります。法定耐用年数や物理的耐用年数、経済的耐用年数などを目安に定期的な点検や修理を行い、長持ちさせる使い方をしましょう。業務用エアコンの管理が負担になる場合は、IoT技術を活用して自動的に管理するダイキンの「アシスネットサービス」の利用がおすすめです。
ダイキンの業務用エアコンは故障しにくく、多様な使用目的や使用環境に対応する幅広いラインナップが特徴です。業務用エアコンの導入や買い替えを検討されている人は、ぜひお気軽にお問い合わせ下さい。
こちらのページから、見積もり・購入・買い替えに関するご相談や使用中の製品に関するお問い合わせ、カタログ請求、その他のお問い合わせをして頂けます。
- まとめ
-
エアコンを10年以上使っている場合は、エアコンの買替えをぜひご検討下さい。
10年前より省エネ性も優れており、電気代も削減できますよ。
ダイキンは万が一の場合も24時間365日ご相談を受付ておりますので、設置後も安心してご利用頂けます。