換気・空気清浄

換気機能付きの業務用エアコンってあるの?効率的に換気をする方法

新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに換気の重要性が見直されています。特に、オフィスや店舗、医療施設など多数の人が利用する空間では適切な換気が必要です。

しかし、窓を開けるなど自然まかせの換気では十分な換気ができないばかりではなく、室温にも影響が出やすくエアコンの空調効率を下げるため電気代も上がってしまいます。本記事では換気専用機器を使用して効率的に換気をする方法を紹介するので、ぜひ参考にして下さい。

Index
  1. そもそも換気とは?
  2. 自然換気とは
  3. 業務用エアコンで室内の換気はできないの?
  4. 換気と空調の違い
  5. 換気には全熱交換器の設置がおすすめ
  6. 全熱交換器を利用するメリット
  7. 全熱交換器の設置をおすすめする場所
  8. ダイキンの全熱交換器「ベンティエール」

そもそも換気とは?

換気とは、室内の空気と室外の空気を入れ換え空気を新鮮にすることによって、空気中の良くない物資(汚染物質)を室外に出したり薄めたりすることを指します。汚染物質とは二酸化炭素や一酸化炭素、ホルムアルデヒド、細菌・ウイルス、ハウスダスト(ダニ、花粉、食品くず、繊維くず、垢など)です。

ホルムアルデヒドなど化学物質の室内濃度が高いとシックハウス症候群になることがあります。それを受けて2003年7月の建築基準法改正時に、居室内においても一定の換気回数を満たした機械換気設備(いわゆる24時間換気設備等)を設置することが義務化されました。

建物内で換気が適切に行われていない場合、汚染物質がずっと室内に存在したり、増えたりしたままの状態になってしまい、我々人間の健康を害する可能性もあります。

このように、換気は人間の健康や建物のメンテナンスの上でも必要不可欠なものです。

1時間当たりの必要換気量

建築基準法で定義されている1人当たりの毎時必要換気量は20㎥/hです。それをもとに1人当たりの専有面積から必要換気量を求める計算式は次の通りです。

必要換気量(/h)=20(㎥/h・人) × 居室の床面積(㎡) ÷ 1人当たりの専有面積(㎡)

ただし、新型コロナウイルス感染対策として厚生労働省が推奨する必要換気量は1人当たり30㎥/hであり、さらに多くの換気量が必要とされています。

また、床面積から毎時必要換気量を求める計算式は次の通りです。

必要換気量(㎥/h)=床面積当たりの換気量(㎥/㎡・h) × 室面積(㎡)

床面積当たりの換気量は標準在室密度によって異なり、それによって必要換気量も違ってきます。例えば、宿泊施設客室の場合3.0㎥/h×室面積、デパート特売場など在室密度が高い場所では60.0㎥/h×室面積が毎時必要換気量の目安です。

 

自然換気とは

自然換気とは機械を使わず自然の作用を利用して換気する方法です。自然の風による風圧や空気の流れを利用する風力換気、室内外の温度差による室内空気上昇を利用する重力換気などがあります。自然換気のメリットは機械を使わないため電気代がかからないことです。

それに対し、機械換気は送風機や排風機など機械を使用して強制的に行う換気を言います。機械換気の種類は、ファンで給気と排気の両方を行う第一種換気、給気をファンで排気を自然換気で行う第二種換気、給気を自然換気で排気をファンで行う第三種換気の3つです。

自然換気時のよくある悩み

自然換気においては換気の度合いが風の有無や強弱、気温など自然環境に左右されるため、確実に換気ができているか分かりにくい点がデメリットです。また、室外の空気と室内の空気が接触することによって空調の冷暖房効率が下がってしまいます。すると真夏に暑くなったり真冬に寒くなったりするため、その調整でエアコンに負担がかかるだけでなく、電気代アップにもつながります。また、自然換気のために窓を開ければ。室外から虫や花粉、排気ガス、ホコリなどが室内に入りこんでしまう場合もあるでしょう。

業務用エアコンで室内の換気はできないの?

「換気機能を搭載した業務用エアコンはないのか?」と疑問に思う人もいるかもしれません。ルームエアコンの場合は換気機能が付いている機種もありますが、ほとんどの業務用エアコンの場合はエアコンだけでは換気ができません。
そのため、業務用エアコンの使用環境で換気をする際は自然換気をするか、エアコンとは別に機械換気設備を導入する必要があります。

換気と空調の違い

換気は二酸化炭素などで汚れた室内の空気を室外に排気して室外の新鮮な空気を給気すること、および換気を行う設備のことです。

それに対し、空調(エアコン)とは「空気調節」の略語であり、室温や湿度、気流、清浄度などを快適に調整するための設備を言います。エアコンは熱交換器を介して室内の空気を冷やしたり温めたりして循環させ設定温度にしますが、給気も排気(外の空気と室内の空気の入換え)も行わないため、空気の入れ替えはできません。エアコンでは換気はできず、汚れた空気はそのまま室内に残っています。

換気には全熱交換器の設置がおすすめ

建物の規模や用途から業務用エアコンを使用している場所で自然換気のみ、あるいは換気を行っていないとしたら、お客様やスタッフに快適な環境を提供することは難しいでしょう。
特に夏や冬は窓開け換気をするとエアコンの効きが悪くなったりしますよね。
そこで、エアコンとは別に全熱交換器を導入し組み合わせて使用することによって、効率的な空調と換気が可能になります。

 

全熱交換器とは

全熱交換器(業務用換気機器)とは室内の温度と湿度を調整する高機能換気装置で、換気扇の一種です。

全熱交換器には排気ファンと換気ファンの両方が付いています。全熱交換器は空気中の熱と湿度を調整する熱交換エレメントを搭載しており、室内に給気する空気の温度と湿度を一定に保つことが可能です。全熱交換器は換気機能だけでなく空調機能のサポートも行うため、エアコンと組み合わせて使用することで省エネ性能の向上も期待できます。

一般的な換気扇とは異なり、室内の温度変化を抑えられる点も全熱交換器のメリットです。

ダイキンTIPS
全熱交換器の特徴は給気、排気のバランスを変えて汚れを「入り込ませない」「流出させない」こと!気流コントロールも行えます。

 

全熱交換器を利用するメリット

全熱交換器を利用するメリットとして次の3つが挙げられます。

● エアコンの効率を下げずに空気を入れ替えられる
● エアコンの負担が減り、省エネになる
● 室内環境を快適にできる

それぞれについて以下で見ていきましょう。

エアコンの効率を下げずに空気を入れ替えられる

全熱交換器を使用することによって業務用エアコンの稼働効率向上が期待できます。

自然換気をする場合、室内の汚れた空気を排出すると同時に、せっかくエアコンで調整した快適な温度の空気まで外に出してしまって外から気温差のある空気を取り込むというエネルギーロスが起きてしまいます。

その点、全熱交換器は排気の熱を利用して外気を室温に近い温度に調整し給気するため、快適な室温を保ちながら新鮮な外気を取り込むことが可能です。

.エアコンの負担が減り、省エネになる

熱交換器と組み合わせて使えば業務用エアコンの負担を減らすことができるため、省エネになって光熱費も安くなります。

全熱交換器の場合、自然換気では排出するだけの空気熱を回収して給気の温度調整に再利用するため、室温と外気温の差が大きい季節でもエネルギーロスを抑えながら室温に近い温度での給気が可能です。エアコンは温度差が大きい時ほど多くのエネルギーを消費するため、エアコンの負担を減らすことができれば節電になり、CO2排出量削減にも貢献できます。

室内環境を快適にできる

全熱交換器を使用すれば室内温度を一定に保てるため、快適な室内環境の実現が可能です。また、窓を開けずに換気できるため、雨や騒音が入りこむこともありません。さらに、外気中の黄砂や大気じんなど、全熱交換器の高性能フィルターは、ホコリや黄砂など2.0µm以上の粒子を約95%(JIS B 9908に基づく計数法による測定結果)捕集するため、汚染物質の流入もシャットアウトします。

加えて、全熱交換器は湿度の調整も行うため、夏は除湿効果、冬は増湿効果が得られる他、梅雨の時期には結露やカビの発生を抑制する効果もあります。

全熱交換器の設置をおすすめする場所

全熱交換機の設置が推奨される場所の中で、特に業務用エアコンと組み合わせた使用をおすすめする場所は、主に次の3つです。

● オフィス
● 飲食店や人の出入りが多い店舗
● 医療施設

それぞれについて以下で解説します。

オフィス

騒音やノイズ、体に感じる風の強弱などがあると、仕事への集中を妨げる原因となりかねません。その点、全熱交換器を使用して機械換気をすれば窓を開けずに換気ができるため、室外からの騒音をシャットアウトできます。また、給気も排気も機械でコントロールするため、安定した風量での換気が可能です。

飲食店や人の出入りが多い店舗

全熱交換器を使用すればエアコンで空調した室温が安定するため、お客様がより快適に過ごせる空間になります。また、十分な換気はウイルス感染リスクを下げる対策の1つです。全熱交換器を導入して換気を強化していることを表示すれば、お客様も安心して来店・滞在でき、店舗への信頼感や評価も高まるでしょう。

医療施設

病院やクリニックなどは定期的に通院する患者様も多く、混み具合や治療内容によっては長時間滞在するケースも多いでしょう。全熱交換器の機械換気を導入して換気を強化すれば、より衛生的な環境を提供でき、患者様やスタッフの安心につながります。また、全熱交換器を入れてから歯科特有のニオイがなくなったという事例もあります。

ダイキンの全熱交換器「ベンティエール」

ダイキンの「ベンティエール」は、排気も給気も機械で行う第一種換気タイプの高機能な全熱交換器です。熱と湿度を室内に戻すことによって室内外の空気の温度差を減らし、室温に近い温度に調整された給気ができるため、エネルギー消費を抑えながら快適な換気を実現します。

また、フレッシュアップ運転機能では室内の陽圧にすることで気流をコントロールし、室外の花粉やホコリなどが室内に入り込むのを防ぎます。さらに、24時間換気運転機能を使えば、業務終了後や閉店後などに空気を入れ換えることも可能です。後付けで設置できる機種「ベンティエール露出設置形」もあり、コンパクト設計のため室内デザインを損ねることもありません。

ダイキンTIPS
ダイキンの後付けできる露出設置形「ベンティエール」なら室内の壁面や露出での設置、
軒下設置など、さまざまな場所に柔軟に対応できます。

設置工事はダイキンにお問い合わせ下さい
換気をしないと室内の空気は二酸化炭素や一酸化炭素、ホルムアルデヒド、細菌、ウイルス、ハウスダストなどで汚れたままです。その状態では快適に過ごせないばかりでなく健康への悪影響もあり、建物の劣化にもつながる可能性もあります。業務用エアコンと換気機器をと組み合わせて使用することで更に効率的に快適かつ省エネになります。後付けできる機種もあり、コンパクト設計なので室内デザインを損なうことはありません。

ダイキンでは、業務用エアコンと合わせて全熱交換器の導入に関する相談にも対応しています。設置後も24時間365日、修理のお問い合わせ・相談ができるので、もしもの時も安心です。お問い合わせ・資料請求は無料ですので、お気軽にご連絡下さい。