業務用エアコン工事はどこに頼む?失敗しないポイントと費用相場

業務用エアコンの導入や修理、入れ替えを検討している人は、どこに依頼すれば良いかや信頼できる業者の選び方について不安があるかもしれません。業務用エアコンは耐用年数を超えると故障率が上がり、修理や入れ替えが必要になります。
本記事では、業務用エアコンの施工業者を選ぶ際に失敗を避けるためのチェックポイントや工事費用の相場について、詳しく解説します。また、各工事の手順や注意点についても紹介しているので、ぜひ参考にして下さい。
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業務用エアコン取り付け工事の依頼先は?
業務用エアコン工事の取り付け工事を依頼する場合、業務用エアコンメーカーやエアコン専門の工事業者が依頼先となります。エアコンの取り付けには専門的な知識・経験に基づく工事が必要です。また、設置場所が大型ビルなどの場合は大規模で特殊な工事になるため、電気工事士や一級管工事管理施工技師などの専門資格を有する業者を選ぶ必要があります。
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業務用エアコン工事費用の相場

業務用エアコンの工事費用はエアコンの種類によって異なります。ここでは次の種類別に工事費用の相場を紹介します。金額差はあくまでも目安であり、エアコンの種類や工事業者によって異なりますのでご注意ください。
- 壁掛形
- 床置形
- 天井吊形
- 天井埋込カセット形
2-1.壁掛形
壁掛形とは室内の壁に取り付けるタイプのエアコンで、業務用エアコンの中では工事費用を最も安く抑えられます。金額はエアコン能力にもよって異なりますが、シングルタイプよりもツインタイプの方が高額になるでしょう。加えて、必要に応じて配管延長する場合や屋外化粧カバーを付ける場合には別途料金が必要です。
2-2.床置形
床置形とは床の上に本体を設置するタイプのエアコンで、暖房の効果を感じやすく、天井が低い場所にも設置しやすいことが特徴です。床置形は本体に重量があるため壁掛形よりも取り付け工事費用がかかるものの、次に紹介する天井吊形よりは低コストで設置が可能です。
2-3.天井吊形
天井吊形とは天井に本体を取り付けるタイプのエアコンで、天井の設置スペースが限定される場合や天井埋込カセット形の設置が難しい場合にも設置できます。次に紹介する天井埋込形と比べて設置の手間が少ないのがメリットです。
2-4.天井埋込カセット形
天井埋込カセット形とは本体を天井に埋め込んで取り付けるタイプのエアコンで、インテリアの邪魔にならないすっきりとした外観が魅力です。天井埋込カセット形の業務用エアコンを取り付ける場合、重い本体を天井裏に設置する作業に加えて、天井にエアコンを埋め込む穴が開いていない場合には穴を開ける工事が必要になります。そのため、取り付け工事費用は他のタイプよりも高額になる傾向があります。
業務用エアコン修理費用の相場
業務用エアコンの修理費用は、故障した場所や故障内容によって相場が大きく異なります。具体的な費用は施工業者によりますが、一般的に「重修理」の扱いになり高額な費用がかかりやすいのは、コンプレッサーの交換や熱交換機の修理、冷媒ガス漏れの修理などで、10万円以上かかる場合があります。それに対し、ファン・ファンモーターの故障や排水異常の修理費用は「中修理」の扱いとなり、一般的にはコンプレッサーの交換ほど高額にはならず、10万円程度が相場です。
故障内容によっては修理するよりも買い替える方がお得になる場合もあるため、業者にそれぞれの見積もりを依頼して検討してみましょう。
業務用エアコンの取り付け工事にかかる時間

業務用エアコンの取り付け工事にかかる時間は、標準的なもので1台当たり約6~8時間とされています。ただし、諸事情によって予想以上に時間がかかる場合もあるため、原則としては午前中から夕方までかかると考え、余裕のあるスケジュールを設定しておくことが大切です。
業務用エアコンの取り付け工事所要時間は、エアコンの種類や業者によっても異なります。あくまで目安ですが、壁掛け形は取り付け工事に約2~3時間、床置形や天吊形は約3~4時間と比較的短時間で終わりやすく、天井埋込形は約4~8時間ほどかかる傾向があります。
新規取り付け工事の手順
業務用エアコンを新規で取り付ける場合の主な工事手順は次の通りです。
【工事前の手順】
①現地調査・無料見積もり
②機種選択・本見積もり
③契約・工事費用支払い・工程の打ち合わせ
【工事当日の手順】
①搬入経路や作業スペースの確保
②作業場所の養生:工事中の汚れやきずを防ぐためビニールシートや養生テープで養生
③開口工事:壁や天井の穴あけや窓枠取り外しなど
④配管敷設:冷媒配管、ドレイン配管、電源ケーブルなど
⑤室内機・室外機の設置
⑥配管・配線工事:室内機と室外機の配管接続や電源工事
⑦化粧パネル・壁付けリモコンの取り付け
⑧真空引き:故障や不具合の原因となる水分を除去するためエアコン内部を真空にする
⑨気密試験:真空引きが適切に行われたかをチェック
⑩試運転と動作確認、作業現場の掃除・清掃
ただし、ここで紹介する流れは一例であり、業者によって手順が異なる場合もあります。具体的な手順については、契約時の打ち合わせで確認しておきましょう。
入れ替え工事の手順
業務用エアコンを入れ替える際の主な工事手順は次の通りです。
①現地調査:既存機器の形状やサイズ、能力、搬出入経路の確認
②作業場所の養生:工事中の汚れやきずを防ぐためビニールシートや養生テープで養生
③冷媒ガスの回収:大型施設の場合は大型ガス回収機を使用
④既存機器の撤去作業:高層階などの場合はレッカー車を使用(道路使用許可が必要)
⑤新しいエアコンの設置
⑥配管・配線工事:室内機と室外機の配管接続や電源工事
⑦冷媒封入:配管に冷媒を封入
⑧試運転と動作確認、作業現場の清掃
新設する場合との違いは、冷媒ガスの回収が必要なことです。冷媒ガスが空気中に漏れるとエアコンの運転効率が下がるだけでなく環境破壊につながるため、「第一種冷媒フロン類取扱技術者」もしくは「第二種冷媒フロン類取扱技術者」の有資格者による工事が義務付けられています。
ここでは工事手順の一般的な例を紹介しましたが、業者によっては順序や内容が異なる場合もあります。詳しい工事手順については契約する業者に確認して下さい。
取り付け工事をする際のポイント

業務用エアコンの取り付け工事をする際の主なポイントは次の3つです。
- 室内機と室外機の設置場所を確認する
- 周囲へ配慮する
- 工事の手順と期間を確認する
それぞれについて以下で詳しく解説します。
7-1.室内機と室外機の設置場所を確認する
エネルギー効率を向上させてエアコンの性能を最大化するためには、室内機と室外機をそれぞれ適切な場所に設置することが重要です。
室内機の設置場所を確認する主なポイントは次の3つです。
- 空気の流れを妨げる障害物がなく、室内全体をムラなく空調できる場所か
- 直射日光が当たる場所ではないか
- 人体にエアコンの風が直接当たりやすい場所ではないか
室外機の設置場所を確認する主なポイントとしては次の6つがあります。
- 直射日光が当たる場所ではないか
- 通気スペースが確保されているか
- 人や動植物に冷風・熱風が当たる場所ではないか
- 海水による塩害や長時間の強風にさらされる場所ではないか
- 引火するおそれのあるもの(ガスボンベなど)から離れた場所か
- 室内機との距離が離れ過ぎていないか
7-2.周囲へ配慮する
エアコンの取付工事には冷媒回収機の運転やクレーン作業、アンカー打ちなどの工程があるため、多かれ少なかれ騒音や振動が発生します。そのため、工事を行う建物内や周囲で生活する人への配慮が必要です。
また、取付場所によっては管理会社などへの事前申請や許可が必要となる場合があります。加えて、エアコンの設置は溶接作業を含むため、事前に火気申請や工事申請などの書類を提出しなければならない場合がある点にも注意しましょう。
7-3.工事の手順と期間を確認する
工事中は現場への立ち入りが難しくなるので、施工する業者と事前に工事のスケジュールを共有することがトラブルを防止する上で重要です。スケジュール通りに工事が進まない場合は業務に支障が出てしまう場合もあるため、早めに施工業者に相談する必要があります。また、万が一、工事に遅れが発生した場合でも対応できるように日程を調整しておくようにして下さい。
特に、夏季はエアコン工事業者の繁忙期のため、希望の日時に工事してもらえない可能性が高いことに注意が必要です。暑くなる前に工事が完了するように、余裕を持って早めに依頼しましょう。
適切な業務用エアコン工事業者のチェック方法

適切な業務用エアコン工事業者を選ぶための主なチェック方法は次の5つです。
- 現地調査があるか
- 明確に見積もりが記載されているか
- フロンガスの回収も行っているのか
- アフターサポートがあるか
- 取り付け工事の実績が豊富にあるか
それぞれについて以下で詳しく解説します。
8-1.現地調査があるか
業務用エアコン工事業者を選ぶ際は、事前の現地調査があるかをチェックしましょう。業務用エアコンの設置環境はさまざまであり、現地の状況によって、設置工法や作業内容が大きく違ってきます。事前の現地調査を十分に実施した上で、現地の状況に合わせて適切な提案ができる業者を選ぶことが大切です。
事前に現場調査を行わなかった場合、工事の当日になってから追加費用が発生したり、能力不足や設置困難といったトラブルが発生したりするリスクがあります。現地調査に基づく適切な製品・工法の選択をすることによって正確な見積もりを取ることができますし、取付工事におけるトラブルの回避にもつながります。
8-2.明確に見積もりが記載されているか
見積もり内容が明確で、費用の内訳が「本体代〇〇円、ドレンホース〇本〇円、人件費〇〇円」など詳細に記載されているかをチェックすることにより、信頼できる業者かどうかを判断できます。見積書の内訳が不明瞭で「部品一式」などの記載をしている場合、水増し請求されていたり、工事開始後に追加費用が発生したりする可能性もあるため要注意です。
他の業者よりも安い見積もりを出してもらった場合も、なぜ安くなるのか、追加費用が発生するとしたらいくらくらいになるかなど、細かいところまで確認するようにして下さい。
8-3.フロンガスの回収も行っているのか
業務用エアコンを入れ換えで設置する場合においては、既存エアコンのフロンガスを適正に処理して廃棄することが、環境省の「フロン回収・破棄法」に基づく「改正フロン排出抑制法第103条」で義務付けられています。工事業者がフロンガスを適正に回収せず外気に放出してしまった場合、依頼主に1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられるため、注意が必要です。
環境保護の観点からも、法令を遵守してフロンガスの回収を行なっている業者を選ぶようにしましょう。
8-4.アフターサポートがあるか
業務用エアコンを設置する場合は、アフターサポートの有無も考慮して工事業者を選びましょう。
業務用エアコンのメンテナンスや修理費用は家庭用エアコンに比べて高額になりやすいことに加えて、家庭用エアコンよりも複雑な工事が必要なため修理に要する時間もかかります。アフターサポートが手厚い工事業者に依頼しておけば、設置工事に不具合などが生じても迅速に対応してもらえますし、サポート期間内であれば追加費用がかからない可能性があります。アフターサポートの内容やサポート対象期間についても確認しておきましょう。
8-5.取り付け工事の実績が豊富にあるか
業務用エアコンの取り付け工事には、電気工事の知識・経験から建築に関する知識まで、幅広い専門性が要求されます。工事業者の公式サイトで施工実績ページなどを確認し、豊富な実績があるかなど、信頼性を見極めるようにすると安心です。
また、業務用エアコンの取付工事に必要とされる場合がある資格が明記されているかもチェックしておきましょう。自分が依頼する工事に資格が不要だとしても、どのような資格を保有しているかを見れば、信頼性の高い業者選びの判断材料になります。
ダイキンプロショップであれば、ダイキンが認定した工事店なので安心して工事を任せることが出来ます。
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業務用エアコンの導入や入れ換えにかかる費用や工事手順、時間は、エアコンの種類や現地の状況によって異なります。安心して工事を依頼できる業者を選ぶチェックポイントは、「事前の現地調査を十分に実施した上で適切な提案をしてくれる」「内訳詳細が明確な見積もりを出してくれる」「フロンガスの回収を適正に行っている」「アフターサポートが充実している」「業務用エアコンの取り付け実績が豊富」などです。
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