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チラーとは?仕組みや種類、ヒートポンプとの違いなどを解説

チラーは冷却水・温水を循環させて対象物を冷やす役割がある機器の総称です。冷やした冷却水を循環させることで機器や食品の冷却、水温の温度管理など、幅広い分野で活躍しています。

Index
  1. チラーの仕組み
  2. チラーのさまざまな使用用途

チラーの仕組み

チラーは、圧縮機(コンプレッサー)と凝縮器(コンデンサー)、膨張弁、蒸発器によって構成されており、1台の中に業務用エアコンの室内機と室外機の機能を組み合わせたような構造です。

圧縮機は、気化した冷媒を圧縮することで高圧で高温の冷媒ガスをつくり出す役割があります。凝縮器とは、圧縮機から送られる冷媒ガスを取り込んで冷却し、凝縮させて再び液化させるための熱交換器のことです。膨張弁は凝縮器で液化した高圧の冷媒を取り込み、蒸発できる状態まで減圧して低圧の冷媒液にするための機器です。

蒸発器は、低圧の冷媒液を蒸発させて再び気化させる熱交換器です。蒸発器で気化する際に発生した気化熱を利用して対象物を冷却し、その後気化した冷媒は圧縮機に戻され、同じサイクルを繰り返します。

チラーのさまざまな使用用途

チラーは産業だけでなく、医療から研究まで、幅広い分野で活躍しています。実際に、チラーがどのような用途で使用されているのか気になる人もいるでしょう。本章では、チラーのさまざまな使用用途を解説します。

2-1 ファンコイルに供給する冷水・温水をつくる

チラーは、ファンコイルの冷水や温水の温度を維持するために利用されています。ファンコイルは送風機とコイル状の熱交換器が組み合わさった空調機器で、冷水や温水を熱源にする業務用エアコンに用いられています。例えば、ビルの機械室に熱源機器を1ヶ所に集約設置して冷水や温水をつくり、各フロアやゾーンに設置したファンコイルへ冷水や温水を供給します。冷水や温水がコイルで熱交換され、冷やされたり暖められたりした空気をファンで送風する仕組みです。

2-2 ドライクリーニング

チラーはクリーニングの品質管理にも利用されています。ドライクリーニングでは石油系の溶剤が使用されているものの、揮発しやすく火災を起こすリスクがあるため溶剤の温度上昇は業務を安全かつ円滑に進める上で重要なことです。チラーで溶剤を冷やすことで安全に洗浄を行えます。ガス化したクリーニング溶剤をチラー内部に循環させることで溶剤を効率よく冷却でき、適切な温度管理が可能です。また、機器に搭載された冷凍機用の冷却水を冷やすためにもチラーが使用されています。

2-3 豆腐の冷却・食品の冷却

チラーは食品加工の製造現場でも役立てられています。例えば、豆腐を製造している工場では、豆腐を冷却するのにチラーが一役を買っています。豆腐は殺菌のために85℃の高温で加熱処理され、その後芯温が10℃以下になるまで冷却するのが一般的なプロセスです。チラーは豆腐の冷却に使用されており、効率よく冷やすことができます。省エネ性能が高いチラーを導入することで生産品質に関わる水温を±0.5℃の誤差で管理できる上に、高効率運転が可能です。

2-4 大型コンピューターを冷やす

チラーは大型コンピューターそのものを冷やすために使用されています。例えば、データセンターに設置されているような大型のコンピューターは電力の消費が激しく、熱も発生しやすいとされています。冷却ファンだけでは十分な冷却ができないうえに電力も消費するため、チラーや熱交換器を利用して冷却する方法が一般的です。機器にとって熱は故障の原因になることから、チラーの役割は重要です。

2-5 銭湯の水風呂の冷水をつくる

チラーは、銭湯の水風呂やプールの水温を維持するために使用されることがあります。水風呂の冷水をつくるには、チラーと水熱交換器、ろ過器が必要です。チラーの冷却水が水熱交換器に送られ、ろ過器を通じて水風呂に冷水が流れるという仕組みです。チラーを使用することで、水道水を水風呂にとって適度な温度に冷却します。また、外部環境や利用者の体温の影響で水温が変化した場合でも、素早く快適な水温に保つことができます。

チラーの検討は、ダイキンにご相談を

チラーは冷却水・温水を循環させて対象物を冷やす役割がある機器の総称です。冷やした冷却水を循環させることで機器や食品の冷却、水温の温度管理など、幅広い分野で活躍しています。機器の冷却や水温管理など、効率的な冷却手段を探している人は、チラーの利用を選択肢に入れるのも手です。チラーを扱うメーカーの中でも、熱源・二次側・計装システムを1社で完結できるダイキンがおすすめです。

ダイキンでは、大規模空調や産業用熱源システムに関する商品を取り扱っています。ダイキンのチラーと業務用マルチエアコンを連動させれば快適性と省エネを追及でき、総合空調システムの効率化につながります。空調について相談したい人は、ダイキンにお問い合わせ下さい。