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業務用エアコンのよくある故障と原因は?修理と買い替えの判断基準

業務用エアコンが故障すると業務に支障をきたすため、日頃のメンテナンスや予防が大切です。例えば、真夏の繁忙期にエアコンが効かなくなったりエアコンから異音や異臭が発生したりすると従業員の作業効率が下がり、来客にも迷惑がかかります。

本記事では業務用エアコンが故障する場合の代表的な症状や主な原因、買い替えの目安を紹介するので、ぜひ参考にして下さい。

Index
  1. 業務用エアコンのよくある故障症状とその原因
  2. 業務用エアコンが故障する原因
  3. 自分でできる初期チェック
  4. 業務用エアコンが故障しやすい環境
  5. 業務用エアコンの故障を予防する方法
  6. 修理と買い替えのどちらがいい?
  7. 業務用エアコン買い替え判断の基準
  8. 業務用エアコン買い替え時の注意点
  9. 最新の省エネ機種でランニングコストを抑えよう
  10. 急な出費が困るなら、定額利用サービスがおすすめ
  11. 買い替えのご相談はダイキンへ

業務用エアコンのよくある故障症状とその原因

業務用エアコンのよくある故障症状は次の5つです。

  • 冷暖房の効きが悪い
  • 異音がする
  • 異臭がする
  • 室内機の水漏れが発生する
  • エアコンが完全に動かない

それぞれの原因について、以下で詳しく解説します。

1-1 冷暖房の効きが悪い

業務用エアコンをつけてしばらく経ってもなかなか快適な室温に達しにくくなることがあります。また、業務用エアコンの運転効率低下によって、以前と使用時間や設定温度などの使い方は変わらなくても電気代が増加する場合があります。

このような場合、不具合の主な原因は、エアコン内部のフィルターや室外機に蓄積した汚れです。エアコンは定期的にクリーニングし、本来の機能を発揮しやすい状態を保つようにしましょう。

エアコンクリーニングをしても復旧しない場合は、熱交換器等が故障している可能性があります。そのような場合は、エアコン専門業者に点検や修理を依頼して下さい。

1-2 異音がする

業務用エアコンを運転していると「ブオーン」「キュルキュル」といった耳障りな異音が発生する場合があります。異音によって従業員の集中が削がれて業務効率が低下したり、来客に悪印象を与えたりする場合もあり、早めの対策が必要です。

エアコンから異音が発生する主な原因は、フィルターの汚れ、エアコン本体の取り付け不備、モーターやモーター付随のベアリングなどエアコン内部にある部品の不具合です。次の対策を試してみましょう。

  • 異音の原因がフィルターの汚れ・吸い込んだゴミなどである場合は、フィルターを掃除したり、作業手袋を使用してゴミを取り除いたりする

上記を試しても解決しない場合はエアコン専門業者に点検や修理を依頼して下さい。

1-3 異臭がする

業務用エアコンの使用中に、カビやホコリ、タバコのような異臭が発生する場合があります。このような場合、考えられる主な原因はフィルターに蓄積したカビや汚れ、室内の空気の臭い、室外機やドレンホース、ダクトなどの汚れ、経年劣化したエアコン素材の臭いです。

異臭への対策として、エアコンのフィルターや内部の洗浄でトラブルが解消する場合もあります。フィルターの洗浄以外は専門的な知識がないとエアコンを傷つけてしまう恐れがあるため、本格的なクリーニングはエアコン専門業者への依頼が必要です。

1-4 室内機の水漏れが発生する

業務用エアコンを使用している時に室内機から水がポタポタ垂れてくる、吹き出し口に水滴がつく、水滴が飛んでくるといった水漏れが発生する場合があります。考えられる主な原因は、ドレンホースの詰まりやドレン配管の勾配不足、エアコン内部の不具合です。ドレンホースとはエアコン内部で発生する結露水を外部に排出するための配管を指します。

ドレンホースの詰まりによって水漏れしている場合、まずは外観チェックをして、実際の洗浄・除去作業は専門業者へ任せるのが安全です。外観チェックとして、ドレンホースの先端にゴミが詰まっていないかチェックしてみて下さい。ゴミやホコリ、虫などが詰まっている場合、それを除去すると水漏れが解決する場合があります。ドレンホースの洗浄や点検作業は、エアコン専門業者への相談が必要です。

1-5 エアコンが完全に動かない

業務用エアコンの電源を入れても全く動かなくなってしまうといったトラブルも時には発生します。エアコンが完全に動かない原因の多くは経年劣化による深刻な故障です。ただし、エアコン内部や室外の部品に汚れが詰まったり、室外機に小動物が入り込んだりモーターや基盤が雨風で破壊されたりしたことで故障するケースもあります。

いずれにしても、エアコンが全く動かなくなった場合は致命的な故障が発生していると考えましょう。新製品への買い替えも視野に入れつつ、エアコン専門業者に相談して下さい。

業務用エアコンが故障する原因

業務用エアコンが故障する主な原因として次の3つが挙げられます。

  • 経年劣化
  • ホコリやカビによる汚れ
  • 定期メンテナンスの不足

それぞれの原因について、以下で詳しく解説します。

2-1 経年劣化

業務用エアコンには寿命があるため、長く使ううちに経年劣化して自然故障が起きる場合があります。一般的に業務用エアコンの寿命は10〜15年と言われていますが、使用環境や使い方によっても寿命が前後します。例えば、生き物を扱うペットショップなどでは24時間エアコンを稼働し続けなければなりません。このように連続運転など過酷な使い方をする環境や、逆に長期間エアコンを使用しない場合、定期的なメンテナンスをしない場合などでは、寿命よりも経年劣化が早まる可能性があります。

2-2 ホコリやカビによる汚れ

エアコンについた汚れがなぜ故障の原因になるのかを解説します。

エアコン内部やフィルターなどにホコリやカビ、タバコのヤニや油といった汚れがたまると、空気の循環が上手くいかず、エアコンの運転効率が低下します。そして結露の水が溜まり、カビの発生や水漏れ、不具合に繋がります。

また、内部やフィルターが汚れたままエアコンを稼働すると、室内に有害なカビなどを撒き散らしてしまうことになり、健康に被害が出るおそれもあるのです。そのため、業務用エアコンを使う環境においては、定期的なクリーニングなどの予防と不具合発生時の迅速な対応が重要です。

2-3 定期メンテナンスの不足

定期メンテナンス不足も業務用エアコンが故障する原因の1つです。定期メンテナンスを実施していないと業務用エアコンの不具合を早期発見できず、トラブルが発生する前に対策を取れないためです。

また、業務用エアコンにはフロン排出抑制法で定められた法令点検が義務づけられているため、必ずメンテナンスを実施しましょう。法令点検には使用者が自分で行う「簡易点検」とエアコン専門業者が実施する「定期点検」の2種類があります。簡易点検の実施頻度は3ヶ月に1回以上、定期点検の実施頻度は7.5kW以上50kW未満の機種なら3年に1回以上、50kW以上の機種なら1年に1回以上です。

自分でできる初期チェック

業務用エアコンが動かない時、自分でできる初期チェックは主に次の4つです。

  • リモコンを確認する
  • フィルターを確認する
  • 室外機を確認する
  • エアコンをリセットする

それぞれについて、以下で詳しく解説します。

3-1 リモコンを確認する

業務用エアコンに不具合が発生したら、リモコンの液晶画面表示を確認しましょう。そこに表示されるエラーコードが分かれば、エアコンの取扱説明書を参照して不具合の原因や内容を把握することにより、どのような対処が必要か判断できるためです。

ただし、リモコンの液晶画面が表示されない場合もあります。例えば、落雷時には直接的な被害を受けなくても、誘導雷(雷によって発生する電気)の影響でエアコン本体の電子部品が故障するケースも見られます。その場合は大掛かりな修理や有線リモコンの交換などが必要になるため、買い替えも視野に入れてエアコン専門業者に相談して下さい。

3-2 フィルターを確認する

業務用エアコンに不具合が発生した時は、フィルターの状態も確認して下さい。フィルターがホコリやカビ、ヤニや油などで目詰まりしていると、送風に支障が出たり、熱交換効率が落ちてエアコンの効きが悪くなったりします。フィルターの清掃は自分で手軽に行えますので、エアコンの調子が悪い時は試してみて下さい。また、フィルターの下にあるアルミフィンも目詰まりを起こしていないか確認しましょう。

フィルターやアルミフィンが汚れで詰まっていないのにエアコンのトラブルが発生している場合は、モーターやファンの不具合や冷媒ガス漏れなどが考えられるため、エアコン専門業者に相談して下さい。

3-3 室外機を確認する

室外機の設置状況や状態に問題がある場合も、室内機の運転に支障が出ることがあります。まず、室外機から出る風の温度をチェックしてみて下さい。冷房時は温かい風、暖房時は冷たい風が室外機から出るのが正常ですが、そうではない場合は冷媒ガス漏れの可能性があります。ガス漏れを正確に診断するには圧力計などの専門機器を用いた診断が必要です。

加えて、室外機が正常に機能しやすい設置状況になっているかも確認しましょう。室外機の吹き出し口付近に物が置かれていて空気の流れを妨げているとエアコンが効きにくくなります。また、室外機吹き出し口のフィルターが目詰まりしていないか、室外機に直射日光が当たっていないかにも注意しましょう。

3-5 エアコンをリセットする

業務用エアコンの調子が悪い場合は、必ずしも故障や内部の汚れが原因とは限りません。何らかの理由によって一時的なトラブルが発生している場合もあります。故障ではなく一時的な症状であればエアコン本体のリセットや復旧をすることで解決できることもあるため、試してみて下さい。リセットしても症状が改善されない場合は、エアコンメーカーのコンタクトセンターに修理の依頼をしましょう。

業務用エアコンが故障しやすい環境

使用環境によってはエアコンが故障しやすくなります。業務用エアコンが故障しやすい環境の具体例として、次の4例について説明します。

  • 美容院・理容室
  • 工場
  • 飲食店
  • ペットショップ

それぞれについて、以下で詳しく解説します。

5-1 美容院・理容室

美容院・理容室ではパーマ剤やヘアカラー剤、ヘアスプレーなどの薬剤をよく使用します。それらの薬剤が空気中を漂ってエアコン内部に入り込むと、熱交換機にドロドロとしたスライム状の汚れが付着し、エアコンの働きを弱めてしまいます。また、カットした毛髪がエアコン内部に入り込むことも故障の原因です。

美容院・理容室のエアコンの故障予防対策としては、エアコンの運転後にしばらく送風運転を行い、内部を乾燥させるようにしましょう。また、1年に1回程度のメンテナンスがおすすめです。

5-2 工場

工場で使用する業務用エアコンも故障しやすい場合があります。その理由は、工場の空気には粉塵やホコリ、排気ガス、油などが含まれており、それらをエアコンが吸い込むことでフィルターが目詰まりしやすくなるためです。また、機械などから発生する熱や長時間のエアコン稼働によっても故障するリスクが高まります。

工場の業務用エアコンの故障防止対策として、こまめなフィルター交換やエアコンクリーニングを行うようにしましょう。

5-3 飲食店

飲食店も業務用エアコンにとって過酷な使用環境です。飲食店では調理で出る煙や油汚れや利用客のタバコのヤニなどが空気中を漂っており、それらをエアコンが吸い込むことで故障につながります。特に、飲食店のエアコンはフィルターが油やヤニまみれになり、通常の洗浄では汚れの除去が困難です。

加えて、飲食店では食品カスが出ることからネズミが侵入しやすいこともエアコンに悪影響を与えます。ネズミの糞がエアコンに入り込めば悪臭の原因になる他、ネズミがエアコンの電気回路をかじってショートさせるケースもあるため要注意です。

飲食店のエアコンの故障を防止する対策として、フィルターのこまめな交換とネズミ対策を行いましょう。

5-4 ペットショップ

ペットショップは動物の抜け毛が空気中に飛散しており、それがエアコンの内部に入り込むことが寿命を短くする原因です。動物の毛には油分が含まれるため、エアコン内部に蓄積するとゼリー状の汚れとなってフィルターが詰まったり、異臭が発生したりする原因になります。対策として、こまめなフィルター掃除や1年に一度程度のエアコン分解洗浄を行いましょう。

また、ペットショップは動物の生育環境を保持する必要から24時間エアコンを稼働することが多いことも、エアコンが故障しやすい理由です。

業務用エアコンの故障を予防する方法

業務用エアコンの故障を予防する主な方法として次の3つがあります。

  • 定期メンテナンスを受ける
  • フィルターを掃除する
  • メンテナンスしやすい機種を選ぶ

それぞれについて、以下で詳しく解説します。

6-1 定期メンテナンスを受ける

業務用エアコンの故障を予防する対策として日頃のフィルター掃除など自分でできるお手入れを欠かさないことはもちろんですが、エアコン内部の点検やメンテナンスについてはエアコン専門業者に定期的に対応してもらう必要があります。加えて、トラブル発生時に自分で簡単な応急処置をしても解決しない時やトラブルが再発する時などは、専門的な知識とスキルを持つプロの処置を依頼すべきタイミングです。

具体的には、冷媒ガス漏れが疑われる場合やエアコンから異音や水漏れなどが発生している場合などは、エアコンのプロに相談すると良いでしょう。

6-2 フィルターを掃除する

フィルターは素人でも簡単に取り外して掃除が可能です。日頃からこまめに手入れすることがエアコン故障の予防につながります。

まず、   エアコン室内機のカバーを外して下さい。それから、取扱説明書にしたがってフィルターを取り外します。その後、掃除機でフィルターに付着したホコリを吸い取って下さい。大量のホコリが付いている場合は、歯ブラシなどで優しくこすりながら水洗いする方法がおすすめです。フィルターに油汚れが付着している場合は水だけでは汚れを落とせないため、中性洗剤を使いましょう。

すすいだ後のフィルターはタオルなどで水気を拭き取ってから自然乾燥させます。直射日光を当てると熱で変形することがあるため、陰干しして下さい。早く乾燥させたい場合はドライヤーや扇風機の冷風を当てると良いでしょう。

6-3 メンテナンスしやすい機種を選ぶ

業務用エアコンは定期的な掃除や点検などのメンテナンスを行うことを前提としてつくられています。必要なメンテナンスを怠ると故障しやすくなったり寿命が短くなったりするおそれがあるため、メンテナンスに手間がかからない機種を選ぶことも重要です。

最新機種の業務用エアコンの中には、ダストボックスを装着したまま掃除ができるものや、毎日フィルターに付いたホコリを自動清掃するオートクリーンパネルが付いたものなど、メンテナンス性が優れた機種もあります。掃除しにくい場所に設置する場合や毎日の掃除に手間をかけられない場合などは、業務用エアコンを買い替える際、メンテナンス性を含めて機種を選ぶと良いでしょう。

修理と買い替えのどちらがいい?

業務用エアコンが故障した場合は修理か買い替えになりますが、どちらにもメリットとデメリットが存在します。それぞれについて、以下で詳しく解説します。

  • 修理のメリット
  • 修理のデメリット
  • 買い替えのメリット
  • 買い替えのデメリット

7-1 修理のメリット

業務用エアコンを修理するメリットは主に次の3つです。

  • 簡単な修理なら低コストで復旧できる
  • 簡単な修理なら短時間で復旧できる
  • 部品があれば買い替えよりも低コストで復旧できる

つまり、購入してからあまり年数が経っていないなど経年劣化が進んでいない業務用エアコンであったり、修理のコストや手間が少ない軽微な故障である場合には、修理するメリットがあると言えます。

7-2 修理のデメリット

業務用エアコンを修理するデメリットは主に次の5つです。

  • 古い機種の場合は部品の生産が終了しており修理できない場合がある
  • 修理できない場合でも業者の出張費が必要になる
  • 大規模な修理の場合は費用が高額になる場合がある
  • 修理してもまた別の不具合や故障が発生するおそれがある
  • 修理しても省エネ性能が向上するわけではない

このように、長く使っている古い業務用エアコンの場合は修理に伴うデメリットが多い点に注意しなければなりません。買い替えのメリット、デメリットと併せて、修理すべきかどうかをよく考える方が良いでしょう。

7-3 買い替えのメリット

業務用エアコンを買い替える主なメリットは次の3つです。

  • 性能の向上した最新機種を選べる
  • 省エネ機種に更新することで電気代削減が期待できる
  • 温室効果ガスの排出抑制など環境に配慮できる

最新機種に買い替えれば省エネ性能や冷暖房効率が大幅に向上しているため、電気代などランニングコスト削減につながります。また、運転音が静か、便利な機能を搭載しており快適に利用できる点も買い替えのメリットです。さらに、最新機種は温室効果ガスの排出が少ないものもあり、地球環境への配慮ができるというメリットがあります。

7-4 買い替えのデメリット

業務用エアコンを買い替える主なデメリットは次の4つです。

  • 簡単な修理よりもコストがかかりやすい
  • 設置場所によっては施工できなかったり施工費用が高額になったりする
  • 設置工事に時間がかかる場合がある
  • 設置工事中はエアコンを使えないため休業しなければならない場合がある

ただし、重修理よりも買い替えの方が低コストで済む場合もありますし、新しいエアコンに買い替えれば寿命も長くなるため、よく検討してみましょう。

業務用エアコン買い替え判断の基準

業務用エアコンの買い替えを判断する主な基準に次の4つがあります。

  • 購入してからの年数
  • エアコンの保証期間
  • 部品の保管期間
  • 故障の内容

それぞれについて、以下で詳しく解説します。

8-1 購入してからの年数

業務用エアコンには寿命があるため、購入してからの年数が長い場合は修理するよりも買い替える方がお得になる可能性があります。

業務用エアコンの更新の目安は10年~15年程度といわれています。ただし、エアコンに負担がかかりやすい設置環境で過酷な使い方をした場合などは寿命がさらに短くなる場合もあります。特に、エアコンの主な機能を担うコンプレッサー使用期間が長くなれば故障のリスクが高くなり、修理費用も高額です。

目安として、購入してから10年程度経っている場合は、修理より買い替えを検討すると良いでしょう。

8-2 エアコンの保証期間

業務用エアコンの保証期間内であれば、初期不良など軽微な故障については無償で修理できる可能性があります。業務用エアコンの保証期間はメーカーによって異なりますが、一般的なメーカー保証期間は1年です。さらに長期間、安心して使いたい人は、延長保証が可能なメーカーの業務用エアコンを購入するのがおすすめです。

ただし、メーカー保証の対象はエアコン本体のみであり、施工不良などには適用されません。施工不良については設置業者の保証が適用されることになるため、そちらの保証内容も確認しておきましょう。

8-3 部品の保有期間

エアコンが故障して修理する場合は補修用性能部品が必要ですが、いつまでも部品を入手できるわけではありません。エアコンの補修用性能部品をメーカーが保管しておく期間には限りがあります。それを過ぎるとメーカーにも部品がなくなり、修理が不可能になる場合がある点に注意が必要です。

部品の保管期間満了が近い場合や保管期間を過ぎている場合、一度は部品を入手でき修理できたとしても、次に故障した時には修理できない可能性があります。そのため、修理よりも新製品への買い替えがおすすめです。

部品の保管期間は一般的に9〜10年程度が目安ですが、メーカーによって異なります。たとえばダイキンでは製造中止後の10年間です。

8-4 故障の内容

軽微な故障であれば修理で良い場合もありますが、重大な故障の場合は修理費用が高額になるため、買い替えの方が経済的なケースもあります。故障の内容によっては買い替えた方がお得になるかもしれません。

修理費用が高額になりやすい重大な故障で多いのは、エアコン室外機の要であるコンプレッサーの故障と冷媒ガス漏れで、いずれもエアコンが効かなくなってしまいます。これらの故障の場合は修理費用を確認した上で、買い替えを視野に入れて検討するのがおすすめです。

業務用エアコン買い替え時の注意点

業務用エアコンを買い替える際の主な注意点は次の2つです。

  • シーズン前に問い合わせる
  • オフシーズンに点検する

それぞれについて、以下で詳しく解説します。

9-1 シーズン前に問い合わせる

エアコンを買い替える際は、夏や冬のエアコンを使うシーズンを迎える前に問い合わせるようにしましょう。特に夏はエアコン専門業者の繁忙期でありエアコンの点検、修理、買い替えのオーダーが集中するため、必要な時にすぐ対応してもらえないおそれがあるためです。

夏になる前にエアコンの試運転をしておけば故障や不具合を早期発見でき、修理や買い替えの相談もスムーズに行えます。一方、ピークシーズンの夏になってから急にエアコンが壊れてすぐに修理や買い替えができない場合、業務効率の低下や来客への悪印象など深刻なトラブルにつながる可能性があるのです。

9-2 オフシーズンに点検する

業務用エアコンの点検は、エアコンをあまり使わない春や秋など、オフシーズンがおすすめです。上でも述べたように、エアコンをフル稼働する夏や冬にはエアコン業者の稼働が空いておらず、必要なタイミングで対応してもらえないおそれがあるためです。また、ピークシーズンにはエアコンの本体価格や工事費用も割高になる場合があります。

また、長期間使用していないとエアコンが作動しない場合もあるため、オフシーズンに点検や掃除をすることで対策できます。

最新の省エネ機種でランニングコストを抑えよう

業務用エアコンの主なランニングコストは電気代であり、オフィスビルにおける光熱費の約半分はエアコンが占めています。電気料金には世界的な燃料高騰が反映され、今後も値上がりが続く見込みです。

最新の省エネ機種の業務用エアコンは従来の機種よりも省エネ性が大幅に向上しており、節電や電気代削減につながります。最新の省エネ機種への買い替えで業務用エアコンのランニングコストを節約できるでしょう。

また、省エネ性能が高い業務用エアコンに買い替える際は政府や自治体の補助金を利用できる場合もあるため、活用することをおすすめします。

急な出費が困るなら、定額利用サービスがおすすめ

業務用エアコンを最新機種に買い替えたくても、まとまった出費を急に用意するのが困難な場合もあるでしょう。そんな時は、エアコンの定額利用サービスがおすすめです。

ダイキンのエアコン定額利用サービス「ZEAS Connect」は、月額サービス料(参考価格9,000円)にエアコン機器本体費用と設置工事費用、無償修理サービス、IoTサービスを活用した空調管理サポートが含まれています。初期費用は月額サービス料に含まれるため、一度に大きな出費なしに最新機種の業務用エアコンの導入が可能です。

また、「ZEAS Connect」のサービス期間は3〜7年で、契約を更新すると最新機種に入れ換えます。契約期間途中での解約も可能です。

買い替えのご相談はダイキンへ

業務用エアコンは使用環境やメンテナンス不足。経年劣化などによって故障することがあり、購入して10年前後のエアコンの場合は修理より省エネ性能の高い最新機種への買い替えがお得になる場合があります。

業務用エアコンを買い替えるなら、ぜひダイキンに気軽にお問い合わせ下さい。エアコン定額利用サービス「ZEAS Connect」も提供しているので、まとまった買い替え費用を用意するのが難しい場合でも安心です。

お問い合わせ | ダイキンHVACソリューション東京